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会計人のリレーエッセイThe Essay Series from Accountants

ひろめ

  • 四国会
  • 高芝 貴彦
  • 高知県高知市

高知観光のバロメーター「ひろめ市場」に
ぜひお越しください

 高知といえば、「坂本龍馬」「桂浜」「はりまや橋」「土佐の日曜市」「足摺岬」…。ここ最近では、「鰹のタタキ」「四万十川」「仁淀ブルー」「らんまん(牧野富太郎)」などなど。その中で、今や高知の観光バロメーターとも言える「ひろめ市場」について少しご紹介させていただきます。

 「ひろめ市場」の「ひろめ」とは、現在の場所がかつての土佐藩主家老であった深尾弘人蕃顕(ひろめしげあき)の屋敷があった地区にあり、維新後もこの一帯が「弘人(ひろめ)屋敷」と呼ばれていたことに由来し命名されました。高知県民には「ひろめ」という愛称で呼ばれています。1998年10月にオープンし、コンセプトは、①高知の新しい観光スポットとして、高知の衣食住文化を「ひろめる」 ②高知の人情・人となりを「ひろめる」③高知の基礎知識・芸術・文化を「ひろめる」です。

 形式は、いわゆるショッピングモールなどのフードコートを想像していただけると分かりやすいのですが、普通のフードコートとは異なり、「ひろめ市場」内には飲食店や鮮魚店、青果店の他にも酒屋、惣菜店、雑貨屋から洋品店まで60店舗ほどの店があります。市場内のいたるところにテーブルと椅子があり、コロナ禍前は夕刻になると、スイーツを楽しんでいる学生の隣で鰹のタタキを食べながらお酒を楽しんでいるサラリーマンたちの姿や、またその隣で団体の外国人観光客のみなさんが高知の名産物を楽しんでいるという少し異様な光景が見られました。

 10年以上前、四国のある市に「ひろめ市場」をモデルとした屋台のある飲食店街がオープンしましたが、2年ほどで閉鎖となりました。ある研究者は「ひろめ市場」が現在も存続しているのは、「高知県に特有の要因がある」と分析しています。つまり、「高知県民は朝からお酒を飲むほど酒好き」だからこそ市場経済も成立しているのだそうです。そのとおり、確かに私も「おきゃく※」が好きです。

 コロナの規制も緩和に向かっています。ほとんどコロナ禍前の「ひろめ市場」の姿に戻りつつあります。高知観光の際にはぜひ、「ひろめ市場」で土佐の「おきゃく文化」をお楽しみください。

※広い意味で、様々な人が集い酒を酌み交わす、交流の場

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