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会計人のリレーエッセイ

2022年12月号

趣味から道楽、 今、福利厚生と少し営業

秋山 達

近畿会

京都府城陽市秋山 達

 1946年、香川県白方村(現多度津町)の農家の六男として生を受けました。白方村は瀬戸内にあり、温暖で村一面がブドウ畑や桃畑でした。

 多くの兄弟も進学や就職で家を離れるため、末っ子の私は小学校の高学年から農業の働き手でした。多少は裕福であったはずの我が家も長男の借金のため一気に貧しくなり、進学か就職かの選択を迫られました。滑り止めにと国家公務員試験をパス。それが私の人生の転機でした。「勉強する間があったら農業を手伝え」と言われる時代です。せめて夜学だけでもと税務職を選び、勤務地も京都を希望しました。そして退官後、開業しました。

 子どもが手を離れるようになって、ご近所の畑を借りられることになり、百姓で人生を過ごした両親の供養にと野菜作りを始めました。生活のためでなく、今度は趣味のため日曜百姓が楽しく、面積や野菜の種類を増やし耕運機から軽トラを買い、趣味が道楽のようになってきました。

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今年もたくさん実ったスイカたちです

 数年前、関与先の社長が900坪もの畑を購入、私も200坪以上無料で自由に野菜作りができるようになりました。春夏秋冬50種類以上。特に力を注いでいるのがスイカです。今年も大小300個収穫です。冬は白菜キムチにも力を入れます。もう道楽の域は超えてしまいました。「美味安全野菜栽培士」の資格も取得し、ゴルフの回数もすっかり減りました。

 毎週月曜日、7名の職員への野菜の配給。スイカは浄瑠璃寺さんや万福寺などご本尊のお供え、ここ数年に相続のあった方にお盆のお供え、関与先さんからのお歳暮やお中元のお返しでも喜んでいただいています。「秋山さんは農家の苦労が分かる」と言われ、農業の関与先も自然と増えています。趣味から少し営業です。昨年から子ども食堂にも私の野菜を提供しています。

「人に親しむ。土に親しむ。」人生、元気で長生きの秘訣です。

2022年 盛夏

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