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会計人のリレーエッセイThe Essay Series from Accountants

多様性が生み出す新たな価値
~一本の傘~

薗田 福美

  • 九州会
  • 薗田 福美
  • 熊本県熊本市

 先日、家族と休日に街を散策していた際、障害のある方々がデザインした傘の展示販売会に立ち寄る機会があった。何気なく眺めていたが、その作品の数々に大きな衝撃を受けた。

 展示されていた傘は、色彩の使い方や模様の配置が非常に独創的で、これまで見たことのないデザインばかり。鮮やかな色の組み合わせや大胆な発想は、一般的な商品デザインの枠にとらわれない自由な表現に満ちていて、思わず見入ってしまった。私はそれまで障害のある方々の芸術活動について深く考えたことはなかったが、その作品に触れ、自分には思いつかない感性や発想力があることを実感した。

 展示されていた傘は決して安価ではなかった。それでも私は思わず手に取った。そこには「障害者が作った作品だから」という理由ではなく、純粋に商品としての魅力と価格に見合う価値を感じたからである。人の心を動かし、対価を払ってでも手に入れたいと思わせる力こそが、本当の価値なのだと思った。

 近年では、障害のあるアーティストの作品を社会の中で活用する動きも広がっている。ヘラルボニー※をはじめとする企業は、ホテルや企業とのコラボレーションを進め、施設空間のデザインに作品を取り入れている。かつて福祉の枠組みで語られていた障害者アートは、今ではその芸術性や独創性そのものが評価され、新たな市場価値を生み出している。

 多様性とは単に違いを認めることではなく、それぞれが持つ能力や個性を活かし、その価値を正当に評価することではないだろうか。今回の展示会で私は、障害の有無ではなく、一つの作品として人の心を動かす力に触れた。このような素晴らしい才能は、もっと多くの人に知られ、社会の中で認識されるべきである。一人ひとりの違いを強みとして受け入れ、その個性が活かされる環境を作ることが、より豊かで創造的な社会につながると感じた。

※障害のある作家が描くアートデータのライセンス管理や企業ブランドとアートを掛け合わせたコラボレーション事業、および社会還元などを主軸とする岩手県盛岡市の企業

筆者の足を止めた独創的なデザインの傘の数々

障害のある方々がデザインした傘の展示販売会の風景

傘の展示販売会「息吹のかたち/命彩(MEISAI)」のご紹介がありました

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