クラウドサービスで手軽に導入・活用が可能に
MJSソリューションによる
デジタル連携で、
顧問先と双方の効率化を実現
デジタル技術やAIの進展により、会計事務所の業務スタイルは大きな転換期を迎えています。 ですが、一方でデジタル化への「参入障壁の高さ」という課題が依然として大きく立ちはだかっています。 そこで、本特集では、その壁を乗り越え、顧問先とのデジタル連携によって会計事務所と顧問先双方の業務効率化を実現するメリットとその具体的な進め方を紹介します。
「かんたんクラウドファイルBOX」
モバイル対応が開拓するデジタル連携の新境地
会計事務所と顧問先のデジタル化、デジタル連携が大きな潮流となっています。しかし、MJSが2025年に実施した独自調査「会計事務所白書」では、会計事務所の96%以上が業務のデジタル化の必要性を感じている一方、会計事務所と顧問先とのデジタル連携を「実施、または検討している」と回答した会計事務所は25%にとどまっています。実際、自計化やデジタル連携と急に言われても戸惑う顧問先が多数を占めるかもしれません。
この課題の解決に活用できるのが、この6月にリリースした「かんたんクラウドファイルBOX」のモバイル対応機能です(図1)。この機能を使えば、SNSに写真をアップするような感覚で、顧問先は会計事務所と証憑などを共有することができます。
また、フォルダ機能により、領収書、レシート、契約書、見積書などを分類管理することも可能です。「デジタル連携は難しそう」と感じている顧問先でも扱いやすいので、これでデジタル連携のコツを掴んでもらえたら、次に「かんたんクラウド会計」による自計化を促すといった具合に、徐々にデジタル化の幅を広げることができます。
デジタル連携によって仕訳の自動化を実現
なお、「ACELINK NX-Pro会計大将」の「AI-OCR入力」と連携すれば、「かんたんクラウドファイルBOX」に格納された証憑データから情報を直接読み取って仕訳を自動作成できるため、顧問先のレシート送付業務と会計事務所の整理・管理・返却業務も一気に解消されます(図2)。結果、会計事務所側では入力作業が削減され、最終的なチェック業務に集中できるようになります。
また、スキャナをお持ちでないお客様でも、最近のスマホのカメラは画質が良いため、「AI-OCR入力」による読み取り精度に問題はありません。
特に社長と数名程度の小規模・零細企業や、社長が営業を兼ねているような場合に効果を発揮します。会計事務所の皆様方からは、こうした小規模・零細企業の社長の領収書がなかなか集まらないというお話をよく伺いますが、スマホ対応により外出先からでも収集できるようになることは、導入の大きな利点の一つになると考えられます。
より自動化を推進したい場合は、「会計大将」と顧問先の銀行口座やクレジットカードをデジタル連携することで、「AI仕訳」の機能を活用できるようになります。「AI-OCR入力」と同様、読み込んだデータを自動的に仕訳する機能を持っているのですが、その効果は複雑な管理業務であればあるほど顕著に発揮されます。実際の導入事例として、30棟ほどの物件を管理する不動産業のケースがあります。この事業者はこれまでは他社会計ソフトを使用していたのですが、物件ごとに異なる銀行・支店で口座を使い分けており、科目は同じでも補助科目はそれぞれ違っていて、仕訳入力に苦労していました。それを「かんたんクラウド会計」を導入し、「AI仕訳」にて最初の1カ月間だけ補助科目などの設定を行ったところ、それ以降は修正する手間も不要となり、処理が非常にスムーズになったのです。さらに、「会計大将」とデジタル連携することで、月次決算や年次処理、申告書作成まで一気通貫で処理できます。
「Edge Tracker」との連携で労務管理業務を完全自動化
ここからはより踏み込んだデジタル化の例として「Edge Tracker」シリーズの機能を紹介します。
まず給与計算においては、「Edge Tracker勤怠管理」との連携により、スマホアプリでの出退勤記録が自動的に給与計算へ反映され、残業申請や有給休暇申請もシステム内で完結するため、手入力による転記作業が不要になります。スマホを所有していない従業員がいる場合は、パソコンやタブレットを1台準備すれば共用端末での出退勤記録が可能です。また、他社の給与ソフトをご利用中の場合も、CSVを使ったデータ連携により段階的な移行ができます。
顧問先にとっても、従来、紙の出勤簿を手作業で集計していた業務が完全に自動化される他、「Edge Tracker給与明細参照」も併せて活用すると、給与明細書の印刷・封入・郵送業務、支給日に合わせた担当者の出社業務なども解消され、働き方改革の観点からも大きなメリットが生じます。
なお、「Edge Tracker給与明細参照」ですと、顧問先の従業員は過去の給与明細や源泉徴収票をいつでもPCやスマホからダウンロードすることも可能です。ふるさと納税の限度額確認や退職時の書類発行などもダウンロード可能で、年末調整時や退職時の個別対応の負担が非常に軽減されるでしょう(図3)。
「Edge Tracker」シリーズにはその他にも、前号で取り上げた「Edge Tracker年末調整申告」をはじめ、「Edge Tracker経費精算」「Edge Tracker電子請求書」などがあり、それぞれ20名以上の中小企業に適した使い勝手のよいツールとなっています。特に、営業担当者が多く外回りの機会が多い企業では、売上規模に応じて「Edge Tracker経費精算」など、他の経費精算システムとの使い分けを検討いただくとよいでしょう。ぜひ顧問先の皆様にお勧めいただければと思います。
「柔軟な価格設定」で実現する新たな収益の柱
「かんたんクラウド」シリーズの大きな特長の一つに、「仕切り販売」という仕組みがあります。MJSが設定する基本価格をベースに、会計事務所側で科目体系の構築や運用サポートなどの付加価値を加味し、顧問先ごとに価格設定できる仕組みです。
「かんたんクラウド会計」「かんたんクラウド給与」やオプションが対象で、会計事務所によっては顧問料に含めたり、仕訳数や売上規模に応じて価格を設定されているようです。この仕切り販売によって、顧問料とは別の収入の柱を立てられるようになります。
「かんたんクラウド」のリニューアル内容
顧問先とのデジタル連携や顧問先の自計化を推進する上で欠かせない「かんたんクラウド」の最新情報についても、こちらで改めて紹介します。
2026年3月に実施された「かんたんクラウド」の大幅リニューアルでは、より使いやすく改善しました。会計事務所管理サイトでは、メインの位置に利用頻度の高い「顧問先一覧」を配置し、ホーム画面で顧問先の契約管理が行いやすくなり、従来上部にあった「お知らせ」は右側にまとめることで知りたい情報を分かりやすく見られる画面配置としました。
また「かんたんクラウド会計」「かんたんクラウド給与」のホーム画面も大幅に変わり、従来の「お知らせ」の表示に代わり、優先すべきタスクが目立つように表示される仕様になりました。例えば「AI仕訳でネットバンキングデータが入っているので処理してください」「未登録の場合はAI仕訳登録をしてください」といった具体的なガイダンスが示される他、スタートアップ段階では「ネットバンキングの連携登録設定」などの立ち上げのガイダンスが表示されます。
さらに、今年9月のリリースでは「かんたんクラウド会計」のホーム画面に残高表示機能が追加され、一目で残高とキャッシュフローを同時に確認できるようになります。これにより、元帳や試算表を確認せずとも、顧問先の資産状況が把握でき、アドバイスなどもより優先度の高いものから迅速に行えるようになると思います。
デジタル化やデジタル連携を進めていけば、職員の生産性が大幅に向上し、業務時間を短縮し、別の業務に充てられるようになります。顧問先にとっても、経営状況の可視化や省力化が進展しますし、ペーパーレス化のメリットも実感できるようになるでしょう。まずはお試し利用などの各種キャンペーンを活用し、省力化と売上向上の両立を実感していただければと思います。MJSでは今後も機能強化を継続し、サービスの拡充を図り、人手不足が深刻化する中でも、使いやすく価格競争力のあるソリューションを提供してまいります。

