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会計人のリレーエッセイ

2021年08月号

ものづくりの街・北九州

中山 淳

九州会

福岡県北九州市中山 淳

 私の事務所がある北九州市は、九州の玄関口として福岡県北部に位置する人口約94万人の政令指定都市です。 1901年、官営八幡製鐵所が建設されて以降、製鉄の街として栄えた北九州市一帯は、北九州工業地帯と呼ばれ、京浜・中京および阪神工業地帯とともに四大工業地帯として学習された方も多いのではないでしょうか。

 現在の官営八幡製鐵所は、2015年7月に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として、世界文化遺産に登録されました。現在稼働している工場の敷地内にあるため、残念ながら一般公開はされていませんが、外観を眺望できるスペースが整備されています。
また、北九州市を発祥あるいは本拠とする企業も数多く、産業用ロボットの安川電機、衛生陶器のTOTO、住宅地図のゼンリンなど「ものづくりの街・北九州」として、今なお最先端を走る企業も少なくありません。

 一方、自然にも恵まれており、観光地として人気の皿倉山(標高622m)山頂からは、市街地や工場群の光がつくり出す感動的な光景を一望でき、その絶景は「100億ドルの夜景」と言われ、日本新3大夜景都市に認定されています。また、国の天然記念物・国定公園に指定されている平尾台は、石灰岩が雨水や地下水によって溶けてできる独特の地形(カルスト台地)で、休日には家族連れやカップルで人気のスポットとなっています。

 海と山に囲まれた地理的特徴から食材も豊富で、市民の台所である旦過市場には、鮮魚、野菜、精肉店など120店舗ほどが並んでおり、開店時からたくさんの人で賑わい、活気にあふれています。中でも郷土料理のぬか炊き(ぬかみそを出し汁としてイワシやサバを炊いたもの)や市場名物カナッペ(魚のすり身に玉ねぎ、にんじん、胡椒を混ぜ込み、薄い食パンを巻いて揚げたもの)は、テレビなどでよく取り上げられる人気のご当地グルメです。

 依然として、先行き不安な日々が続いていますが、新型コロナウイルス感染症の収束後は、歴史と「ものづくりの街・北九州」へぜひお越しください。

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