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会計人のリレーエッセイ

2018年11月号

還暦は新たなスタート

江崎 洋介

九州会

福岡県八女市江崎 洋介

阜県根尾谷産の天然菊花石。名前は、「神花麗香」です。

暦は、干支が60年で一回りすることを指しますが、もう一回りを大還暦と呼ぶそうです。還暦で人は赤ちゃんに還ると言われていますが、最近は、人生100歳時代に入ったようで、60歳ぐらいでは皆さん現役バリバリです。また、定年が75歳に引き上げられるかもしれないという、なんだか痛ましさを感じる話もちらほら聞こえてきますが、60歳はいたって元気な様子を見れば、これからは大還暦に向かって赤ちゃんに還っていく時代になっていくのではないかと思ってしまいます。

実際、私たち人間の寿命は、科学的にも120歳くらいだそうです。人間の細胞は、分裂のたびに遺伝子の螺旋の端っこが切れていき、どんどん短くなるため、分裂ができる限界が人間の寿命となりそれが120歳だそうです。だから私は、昨年還暦を迎え、これから赤ちゃんに向かって若返っていかねばと思っておりました。

還暦を迎えるにあたり、諸先輩方から、これから加速度的に身体の衰えを実感すると諭されてきたのですが、昨年の還暦現在ではいたって元気で、健康診断での医師には「どうしてこんなにどこも悪いところがないんでしょうかね」などとお褒めの言葉をいただき、先輩方のご忠告など、どこ吹く風でした。が、やはりご多分に漏れず、還暦を過ぎた今年の誕生日あたりから、雪崩を打つがごとく、五十肩、両膝の関節痛、ぎっくり腰などが再発しました。還暦まで、よく身体は精一杯頑張ってくれていたんだなあと痛感させられた次第です。

人間もピークを過ぎれば、動から静へ移ります。それに合わせて興味の対象も、人間や動物から植物へ、植物から静物へと移り、そして土に還るとの俗説があり、それがまた自然の流れなのかもしれません。私も、以前は興味がなかった植物に愛情を感じ、最近では、貴石・半貴石や鉱物の美しさに感動を覚え、路傍の石ころにも慈愛を感じるようになってきました。土に還る時期が近づいてきたのでしょうか? いえ、私は大還暦を目指し、今までの不作為を悔い改め、還暦を新たなスタートとして、身体にも心にも気をつけていきたいと思っています。

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