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時代を読み解くキーワード

本コーナーでは、昨今ビジネスシーンや巷で
話題のキーワードをピックアップし、分かりやすく解説します。
今回は「BNPL」と「CASE」です。

BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)

利用者急拡大も多重債務のリスクあり

 BNPLは後払い決済〝Buy Now Pay Later〟(今買って、後で払う)の略称で、近年、海外で利用者が急速に広がっている決済方法です。日本では簡便な決済手法として、Z世代※を中心に利用者が増えています。
 BNPLの特徴としては「分割払いに手数料が発生しない」「与信審査がない」点などがあります。クレジットカードであれば、2回以上の分割払いに手数料が発生することが多く、高単価な家電やパソコンなどを購入する際には躊躇してしまうことがありますが、BNPLであれば、手数料なしで2回以上の分割払いが可能です。ただ、BNPLは与信審査のハードルが低いせいか、少額の支払いが重なり、気づくと多重債務を抱えているケースもあるようです。
 近年、英国や豪州などではBNPLを利用する際に当局の認可が必要になるなど、各国で規制の動きが相次いでいます。BNPL市場は今後も広がるとの見方が大勢ですが、世界的な動向にも注視していきたいところです。

CASE(Connected/Autonomous/Shared&Services/Electric)

異業種を巻き込む開発競争と〝Maas〟進展に期待

 CASEは自動車業界で提唱された新しい考えで、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字を取った造語です。2016年9月に開催された「パリモーターショー2016」で、メルセデス・ベンツ・グループ(旧・ダイムラー)が用いたのが始まりとされています。
 それぞれのキーワードを見ていくと、まずConnectedが「通信で車が外とつながる」を意味し、車載通信機器やスマートフォンを活用したGPS情報の取得、車両事故などでの緊急連絡先への通信、車同士や周辺の道路施設との通信・連携などが進展中です。次いでAutonomousは自動運転を意味し、米国発祥の自動運転レベル(0~5の6段階)の定義に基づいた研究・開発が進められています。Shared&Servicesは近年広がりを見せるカーシェアリングや配車サービス、Electricはその名の通り、電気自動車を指します。
 今後、CASEを合言葉に異業種を巻き込んだ開発競争が加速することで、「移動すること自体がサービス」という意味合いを持つ〝MaaS〟(Mobility as a Service)も大きく進展していくことでしょう。

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