CHANNEL WEB

ITリテラシー向上塾

「Google Workspace」を導入すれば
場所や端末を選ばずにデータを共同編集できる!!

ITに関する知見を深めていただくための本コーナー。
第3回は「Google Workspace」の導入・活用のポイントについて、 Google for Education 認定イノベーターの古川 俊氏にレクチャーしていただきました。

古川 俊 ふるかわ・すぐる

Google for Education 認定
イノベーター

古川 俊 ふるかわ・すぐる

日本教育大学院大学修了後、私立中高数学教師として4年間、私立小学校教師として5年間教職を勤める。2019年Google for Education認定イノベーターを取得し、経済産業省実証事業で17自治体とGoogle Workspaceを活用したオンライン学習での出席・学習評価モデルづくりのためのシステム設計を行う。Google for Education認定トレーナー及びコーチの資格を取得し、多数の地域や学校でGoogle Workspaceの研修やコーチングを行っている他、YouTube「AI・ICT活用チャンネル」も展開中。

CATEGORY1

Google Workspaceとは

 「Google Workspace」は検索エンジンでお馴染みのGoogleが提供する一連のオンラインツールとサービスのパッケージです。メールの送受信から文書作成、スケジュール管理、オンラインミーティングまで、ビジネスで必要とされる主要な機能(アプリケーション)をカバーしている他、同一アカウントからログインすれば、PC、スマートフォン、タブレットと異なる端末を使用したとしても、同期された最新のデータにアクセス・編集することができます。
 ビジネス向けアプリといえば、文書作成アプリのWordや表計算アプリのExcel、プレゼンテーション作成アプリのPowerPointなどを包括する「Microsoft Office」が有名です。しかし、実は学校教育で使用されている端末では約7割がGoogle Workspaceを使用しており、もはや若い世代にとってはMicrosoft OfficeよりもGoogle Workspaceのほうが馴染み深い存在になっています。事実、既にスタートアップ界隈ではビジネス向けアプリとしてGoogle Workspaceだけを導入する例も目立ち始めてきました。もっとも、ビジネスシーンでは依然としてMicrosoft Officeが根強い人気を誇っていますが、Google Workspaceがさらにシェアを拡大する可能性は十分にありますし、若い世代と積極的にビジネスをする上でGoogle Workspaceへの対応は必須と言えるでしょう。



CATEGORY2

Microsoft Officeとの類似点と違い

 Google Workspaceには文書作成アプリのGoogleドキュメント(MicrosoftのWordに相当)、表計算アプリのGoogleスプレッドシート(同Excel)、プレゼンテーション作成アプリのGoogleスライド(同PowerPoint)、メールアプリのGmail(同Outlook)、クラウドストレージアプリのGoogleドライブ(同OneDrive)など、Microsoft Officeとほぼ同等の機能(アプリ)が網羅されています。
 違いとしてはGoogle Workspaceがオンラインでの作業完結を前提としており、印刷することを前提としていないことがあります。そのため、細かい印刷設定に関してはMicrosoftのWordの方が優れている点があるのですが、Googleドキュメントでも印刷設定の確認や調整をすれば、問題なく印刷ができるので安心してください。
 一方、Google Workspaceには、これらの機能がシームレスに連携しているという強みがあります。 例えば、Google Keep(メモアプリ)に保存したPDFからGoogleドキュメントに文章だけを簡単に挿入できる他、Googleフォームに回答されたアンケート結果を自動でスプレッドシートに記録することもできます。Googleカレンダーにオンラインミーティングの予定を入れると、自動的にGoogle MeetのURLリンクが生成され、参加者はクリック一つでミーティングに参加できます。
 また、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどでは、権限を付与されたチームメンバーとともにGoogleクラウド上のデータを共同編集することが可能です。その際には誰がいつどのように変更したかが自動で保存され、変更履歴を確認して以前の状態に戻すこともできるため、共同編集を安心して行えます。



CATEGORY3

会計事務所での活用シーン

 会計事務所で使用するビジネス向けアプリといえば、文書作成アプリのGoogleドキュメントや表計算アプリのGoogleスプレッドシートになるかと思います。これらは皆さんにとって馴染み深いWordやExcelと使い方や関数がほとんど一緒ですし、データの互換性も十分にあります。
 特に表計算アプリは会計事務所で使用する頻度が高いと思いますが、実はGoogleスプレッドシートには共同編集以外にもユニークな機能がいくつかあります。その一つが関数を利用して複数のスプレッドシート間でデータを簡単に取り込むことができる機能です。これにより、既存のデータを新しいスプレッドシートに統合したり、必要な情報を迅速に参照することが可能になります。また、フィルタ機能も注目したい機能の一つ。必要なデータのみを特定して表示することができ、自分にとって最も関連性の高い情報に素早くアクセスできるようになります。
 会計事務所の皆さんは顧問先のところにお出かけになることも多いかと思いますが、Google Workspaceを活用すれば、先述したように場所や端末を選ばずにGoogleクラウド上にある顧問先データにアクセスしたり、共同編集ができるようになります。まさにお忙しい皆さんにピッタリのツールだと思うので、ぜひ業務に活用してみてください。

共同編集しているチームメンバーに影響を与えず、
自分だけのフィルタビューを作成できる

▲ ページトップ