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事務所 訪問

2018年12月号

税理士法人大和 写真

従業員一人ひとりの〝個〟を重んじ
独自の「創造経営システム」を実践

東京都文京区と茨城県坂東市に事務所を構える税理士法人大和は、日本創造経営グループの構成法人の一つとして、 税務会計業務や教育事業などを通して、長年にわたって全国の顧問先を支援してきました。統括代表社員の片桐 好正先生と 茨城事務所所長の飯田 義明先生に、これまでの歩みや最新の取り組みについて伺いました。

企業再建の末に誕生した「創造経営」という思想

事務所の概要について教えてください。

片桐 好正統括代表社員(以下、敬称略) 当法人の前身は創業者の薄衣佐吉が1948年に立ち上げた薄衣会計事務所です。その後、薄衣共同公認会計士事務所と改称し、2代目の礒部 巌を経て、3代目の瀧田 正志の時に税理士法人大和へ組織変更し、2013年に私が4代目代表に就任しました。

日本創造経営グループの構成法人の一つとなっていますが、これはどのようなグループなのでしょうか。

片桐 人材育成・会員事業の運営を担う一般社団法人日本創造経営協会、税務会計業務を担う税理士法人大和、会計監査・内部統制監査を担う監査法人薄衣佐吉事務所、経営コンサルティングサービスを担う(株)創造経営センター、ITコンサルティングサービスを担う(株)ソウケイ・ハイネットからなるグループです。当法人はこれらの総合力を生かしたワンストップサービスで顧問先を多面的に支援しています。また、顧問先は個人事業から中堅・中小企業、さらには上場企業やグローバル企業までと幅広く、その件数は350社以上となっており、一般的な税務会計業務だけでなく、事業承継や相続、株式公開支援なども手掛けています。

日本創造経営グループでは「創造経営システム」という教育プログラムを軸にした人材育成、経営支援に取り組んでいるそうですね。

片桐 当法人の創業者である薄衣 佐吉は薄衣会計事務所を開業して以来、数多くの企業の再建を手掛け、その経験から「創造経営システム」という教育プログラムを生み出しました。創造経営は「経営の改善は人の改善」「人の改善は人の心の改善である」を基本理念とするもので、「目に見える経営の改善」は働く人の意識や責任能力、管理者の統率力などの「目に見えないもの」に左右されるということに重きを置いています。

法人としての経営理念はどのようになっているのでしょうか。

片桐 当法人では「〝創造経営〟に勤務する者は、会計の本義を体得し、人類社会の経済秩序の確立と、その向上のため、誠実に努力することを大本とする」という基本理念を掲げています。これは従業員一人ひとりが公益性・専門性・倫理性を持つ職業的専門家として、会計を通じて「個人」「家庭」「職場」「地域社会」「人類経済」の5徳の改善を図り、経済の均衡と秩序の確立をもって人類経済秩序の確立を図ることを表しています。そして、この基本理念を実現するために「地塩世光」(「塩は自らを浄化しているが故にこそ、他を浄化する。山上に輝く火はどこからも見え、暗夜に踏み迷う人の道しるべになる」という意)、「桃李自芳」(「桃や李は、きれいな花を咲かせる。その下には、花を見るために人が集まって来る。その営みが年々繰り返されるうちに、その木の下に蹊(こみち)ができる」という意)、「我々の人生は、天まで届く長い階段を、一歩一歩踏みしめながら確実に登って行くようなものである」という3つの行動指針を設けています。また、具体的な行動目標としては①両親の願いを理解し、祖先の徳を受け継ぎ、家系浄化に取り組み、生きがい・働きがいを創造する②変化の本質を見定め次世代のために職場の目標を掲げ、それを実現できる人々を育てる③関与先、その取引先の困っている問題解決のために調査研究と自己啓発を行なう④生活・職場・地域等のボランティア活動を積極的に行なう⑤職場・家庭生活で明るく俊敏に行動するということを掲げています。

〝人〟を変えるための徹底した教育プログラム

それらの理念や行動目標はいつ頃から確立されていたのでしょうか。また、片桐先生が入所した当時の印象はどのようなものだったのでしょうか。

片桐 いずれも初代の頃から掲げられており、私が入所した時には朝礼をはじめとした行動目標が徹底されていることに驚いたものです。例えば、当法人では毎月1日の早朝にグループの幹部が全員で明治神宮に集まり、参拝をすることになっています。そうすることで初心やグループの結束を確認し合っているのです。また、もうひとつユニークなのが新入社員の実家に必ず家庭訪問を行うことです。ご家族に責任を持ってご子息を預かり、社会人として育てていくという意志をお伝えするとともに、ご家族のことや家庭環境について知ることでその新入社員のパーソナリティをより深く理解するという狙いがあります。もちろん、私が新入社員の頃には当時の幹部が私の実家まで家庭訪問に来てくれました。

従業員一人ひとりの〝個〟を大切にされているのですね。

片桐 それは〝人〟を変えることが経営改善につながるからです。それゆえ、当法人では従業員一人ひとりの〝個〟を大切にし、とことん〝個〟に踏み込んだ教育を実施していますし、大切にするものの優先順位を個人、家庭、職場、顧問先と明言しています。

理念や行動目標を浸透させるためにどのようなことを行っていますか。

片桐 創造経営システムによる教育を行っています。例えば、挨拶や整理整頓などからなる「基準創造行動」の徹底が良い仕事や経営につながっていくということを教え込む他、両親との関係を考え、自身を見つめ直してもらうことなどを重視しています。また、3泊4日の富士山研修も実施しており、そこではこれらの行動規範を学ぶと同時に、豊かな自然環境の中で両親と自分のことをしっかりと見つめ直してもらいます。私たちは父親との関係が上下関係、母親との関係が横の関係を表すと考えており、両親との関係性を見つめ直すことで、現在の自身の考え方や人間関係を浮き彫りにできると捉えているのです。こうした教育プログラムの集大成が創造経営システムであり、当グループではこれをみずから実践するだけでなく、顧問先をはじめとした他社に対しても提供しています。

写真1

フロアは部署ごとに島が分かれ、円滑にコミュニケーションをとれるようになっています

写真2

4代目代表として法人を牽引する片桐 好正先生(右)と、茨城事務所を守り立てる飯田 義明先生

新入社員や女性社員も働きやすい職場環境

その他、経営理念を体現するために実践している取り組みはありますか。

飯田 義明茨城事務所所長(以下、敬称略) 当法人ならではの取り組みとして、ペア制度というものがあります。新入社員一人ひとりに先輩社員が付き、理念や基準創造行動を教育するとともに身近な相談相手になるというものです。この関係は当法人に所属する限り永続的に維持されるので、ペアの信頼関係は時が経つにつれて強固なものになっていきます。まさに兄弟子、弟弟子のような関係ですね。

女性社員にとっても働きやすい職場になっているのでしょうか。

片桐 仕事よりも家庭を大切にしてもらうことを明言しており、産休育休制度はもちろん、時短勤務なども積極的に活用してもらうようにしています。事実、産休育休の後に職場復帰する女性社員や2人目の子どもを出産する女性社員もたくさんいますし、子どもが急に病気になっても気兼ねなく休暇を取ったり、早退したりできる環境になっていると思います。

多くの顧問先を有しておられますが、どのようにしてここまで増えていったのでしょうか。

片桐 グループの総合力を生かしたワンストップサービスが評価されていることと、地道に教育事業を展開してきたことが大きいと思います。実際、当法人の顧問先の大半は私たちの考え方に共感してくださった方からの紹介によるものです。

ところで、飯田先生が所長を務めている茨城事務所はどのような経緯で立ち上げられたのですか。

飯田 私の出身が茨城県であり、いずれは家業である神社の宮司を継ぐ必要があったことから、茨城県坂東市に拠点を設け、宮司の仕事と両立させてもらうことになったのです。当然、経営理念や行動規範は当グループと同じものをベースにしており、グループのミニチュア版のような組織を作り上げることを目指しています。地域の素晴らしい企業とともに成長していきたいと考えています。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします。

税理士までのあゆみ

片桐 好正統括代表社員

新潟県出身で地元の商業高校に通っていたという片桐先生。当時から簿記会計に関心を持っており、いずれは税理士か公認会計士になりたいと思っていたそうです。そして、高校卒業後は上京して専門学校に通い、その学校の講師からの紹介で税理士法人大和に入所。以来、勤務の傍ら大学で学ぶなどして、38歳の時に税理士資格を取得したそうです。

飯田 義明茨城事務所所長

家業が茨城県の神社の宮司だという飯田先生は、以前、東京大神宮(東京都千代田区)の経理部に所属していた際に簿記会計に興味を持つようになったそうです。そして一念発起して退職し、専門学校で本格的に税理士試験に向けての勉強を始めることに。30歳で税理士登録を果たし、地元の会計事務所での勤務を経て、税理士法人大和の経営理念に惹かれて転職を決意したとのことです。

税理士法人大和

所在地
[本社]東京都文京区本郷2-10-9 冨士ビル5F
[茨城事務所]茨城県坂東市岩井3230-1 坂東市商工会3F
TEL
[本社]03-3816-1451
[茨城事務所]0297-36-2323
設立
2005年
職員数
60名

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