2022年10月号
我が故郷、信州
私は長野県長野市で生まれ育ちました。ご存知の通り長野県は県土が広く、長野市は県内では北部地方にあたります。
子どもの頃は同じ県内の南部地方、諏訪湖周辺に住んでいたこともあります。同じ県内でも方言や習慣が異なり、当時は慣れるのに苦労した記憶があります。ですが、今でもその頃の友人と話していると、普段は使わなくなったその頃の方言に自然と戻っていきます。同じ県内に故郷が二つあるような感覚です。
大学入学以降は長い間東京や埼玉に住んでおり、正直なところ、もう長野に帰ることはないと思っていました。その考えを変えるきっかけとなった出来事は二つありました。一つは、東日本大震災とその翌日の長野県北部地震。当時子どもが生まれたばかりで、本当にこのままでいいのかと考えるようになりました。もう一つは、その数年後、長野市の隣の須坂市の税理士さんとご縁があったこと。その結果、子育てを長野でしようということもあって、Uターンが実現しました。
Uターンしてみると、昔は何も思わなかったことが魅力なのだと気づきました。信玄の隠し湯ともいわれる松代温泉をはじめ、車で少し走れば色々な温泉があって、温泉好きの我が家には絶好のロケーションです。強力なパワースポットとも言われる戸隠神社の周辺をはじめ美味しい蕎麦屋、飲食店がいくつもあります。県内各地の観光地にも、日帰りでも宿泊でも行きやすく、休日の外出にはもってこいです。冬にはスキーやスノーボードも日帰りで行けます。また、四季折々の味覚も楽しみの一つです。この原稿を書いている今は8月上旬、もうすぐ川中島白桃が食べ頃です。長野市の北、信濃町のもろこし街道のとうもろこしも美味しいです。秋になればシャインマスカットなどのぶどう、その先の冬の初めにかけてはりんご。他にもまだまだあります。
コロナ禍で思うような外出はしにくいかもしれませんが、ぜひ、自然あふれる信州へお出かけください。