The Essay Series from Accountants
事務所移転
私が兵庫県たつの市で祖父の代から続く税理士事務所を引き継いで3年が過ぎたところです。私が税理士を目指したきっかけは、やはり父の影響が大きいです。父は地域に根ざした事務所運営を行い、長年にわたって多くのクライアントから厚い信頼を寄せられていました。その姿を間近で見て育った私は、税理士としての使命感を自然と学びました。そんな父が生前「これからの時代に合った事務所をつくりたい」と計画していたのですが、残念ながらそれを実現する直前に他界しました。私はその思いを受け継ぎ、2024年10月に事務所を建築しました。
たつの市には、江戸時代から昭和戦前期までに建てられた白壁や町家造りの建物が今なお多く残されております。新事務所は、このような伝統的な街並みとの調和を重視して和モダンなデザインを採り入れるとともに、今の時代に合った働き方ができる環境を意識して設計しました。税務相談やミーティングをスムーズに進められる個別スペースを複数設けることで、顧客満足度の向上を図るとともに、事務所のスタッフにとってより効率的な業務が可能となりました。父が当初構想していた事務所の外観とは異なるイメージとなりましたが、父の計画を形にできたことは私自身の大きな達成感と誇りにつながっています。
さらに、新しい事務所の運営を始めたことで、税理士業務の現状や課題について改めて考えるようになりました。特に、繁忙期における長時間残業の解消など働き方改革への対応や業界の将来を担う若手人材の育成が、現代の税理士に求められていると感じています。これらの課題を解決するために、今年は会計大将におけるAI−OCR入力の導入を進めることを目標としています。
これからもミロク会計人会の皆さまと情報を共有しながら、業界全体を盛り上げていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

新事務所はたつの市の景観を意識しながら、今の時代に合った働き方を意識して設計しました