2019年03月号
富山県の攻めの姿勢
今、「えごま油」が話題となっています。
私の地元の富山市では「富山えごま」という地域ブランド名を付け、「えごま」がより市民に愛され地域に根差した特産物となるよう育てているそうです。
富山市では、2014年に山田地域の温泉熱などを活用してえごまの葉を栽培する「牛岳温泉植物工場」を整備しました。室内での栽培は全国でも例がなく、雨や風の影響を受けずに育ったえごまの葉は、柔らかく、えぐみが少ないので、食べやすいという特徴があります。
聞けば、えごま油に豊富に含まれるα‐リノレン酸という成分は体内でEPA、DHAに変わるといいます。これは青魚に含まれる成分と同じ効果が得られるため、えごまのことを「畑の青魚」と呼んだりします。
このα‐リノレン酸は青魚と同じように、認知症やうつなど脳機能に効果的であるばかりでなくメタボや、高血圧など生活習慣病の予防にも効くという非常に優れた食品のようです。
このためえごまは、食べると十年長生きできるとの言い伝えから別名「ジュウネン」とも言われて、地方によっては黒いえごまを黒ジュウネンと呼んだりしているようです。
一方、18年秋、いよいよ富山米の新品種である「富富富」がデビューしました。
「ふふふ」と読み、ごはんを食べた人に「ふふふ」と微笑んで、幸せな気持ちになってもらいたいという想いも込めて名付けられたとか。
粒ぞろいがよいので、炊きあがったごはんはつややかで透明感があり、口に入れると甘み・旨みが広がりますし、冷めてもおいしいと販売も好調なようです。
また「富富富」は農薬を抑えて、徹底した生産管理のもとで栽培、収穫されたお米ですので、安心してお召し上がりいただけます。
富山県というと何かと地味に感じられる方が多いでしょうが、実は、自然では立山連峰・黒部峡谷、また、天然の生簀とも呼ばれる富山湾からはホタルイカ・白エビ・寒ブリなど案外知られた名所、名産物がある県です。
しかし、これらに安住せず、新たな特産物づくりに挑戦する富山県の攻めの姿勢には、「現状維持は後退なり」を信条とする私も大いに共感するところです。ぜひとも応援していきたいと思います。