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大関久税理士事務所 写真

事務所訪問

外部専門家と連携し
地域の総合相談窓口役を担う

千葉県柏市で30年以上にわたって地域の変遷とともに、地主や地場企業を支えてきた 大関久税理士事務所。他士業との連携体制を強みに数多くの相続案件を手掛け、 顧問先支援においては税務の範疇を超えて経営者のさまざまな悩みに耳を傾ける 地域の総合相談窓口として、顧問先から根強い信頼を獲得してきました。 大関 久所長にこれまでの経緯と事務所の方針などを伺います。

過去30年の柏市を振り返り今の顧問先のニーズをみる

大関先生は千葉県柏市に会計事務所を開業されて、夫婦二人三脚で30年以上事務所運営をされてこられました。この地域の変遷を振り返ってみていかがでしょうか。

大関 久所長(以下、敬称略) 今から振り返ると、柏市は本当にガラリと変わりました。戦前には陸軍柏飛行場やゴルフ場があり、至る所に農地が広がっていました。それが、2008年のつくばエクスプレス開通に前後して、東京大学柏地区キャンパス、千葉大学柏の葉キャンパス、産業技術総合研究所柏センターといった学術機関の竣工が相次ぎ、この地域は文教地区として生まれ変わりました。つい昨年にはインターナショナルスクール「Rugby School Japan」が開校し、非常に注目されているエリアだと感じています。

「他士業とのつながりが顧問先支援に欠かせない」と話す大関先生夫妻


地元事業者が顧問先となる事例は多いのでしょうか。

大関 確かに地元ないし近隣の事業者様が顧問先となるケースがほとんどで、大部分は柏市や野田市、我孫子市にお住まいの地主の方です。各顧問先の所有、運営する不動産の数はとにかく多く、確定申告時期に入ると膨大な書類との格闘が始まるのが当事務所の恒例です。市内ではここ近年、区画整理事業が進んでおり、それも相まって顧問先からの土地相続や譲渡に関する相談が増えています。

さまざまな士業と連携して複雑な相続案件に対応

土地・建物の相続といった案件は専門的な知見が求められることかと思いますが、大関先生はそうした分野にも精通しているのでしょうか。

大関 いえ、これらは私1人の力ではなく、相続や土地・建物に関する知見を持った同業者や士業の方とも連携して対処しています。これも親族や過去の職場の縁が積み重なって今の体制があります。
 私は税理士資格を取得して独立開業をするまでに、東京都内の2軒の会計事務所で実務経験を積みましたが、独立直前にお世話になっていた会計事務所の所長が相続案件に造詣が深く、数多くの事例を手掛けてこられた方で、私の税理士人生に大きな影響を与えています。私の独立開業後も度々ご助言をいただきましたね。
 また、私の叔父が長らく弁護士として働いていた縁で三士会(司法書士・弁護士・税理士)という集まりに参加させていただき、そこで士業の方たちとの強いつながりができました。現在もこのご縁を活かし、他士業の方たちから折に触れてご助言をいただいています。顧問先支援の場面ではそれらの助言に加え、宅地建物取引士の資格を持つ妻(広美さん)の力も借りながら顧問先の相談に応じています。他士業とのつながりは、顧問先を支える上で欠かせない要素となっており、皆さんとは仕事上だけでなく家族ぐるみでお付き合いをさせていただいています。

主な業務となっている相続案件に関しては近年、どのようなご相談が増えていますか。

大関 案件によってさまざまですが、最近は代襲相続の相談が後を絶ちません。代襲相続は被相続人(死亡した人)からみて相続人となるべき人(被相続人の長男など)が先に死亡してしまったことで、相続人(同)の子どもなどが代わりに相続人になるというものですが、こういった事例の多くは親世代と子世代という異なる世代間で相続財産を分割することがほとんどのため、親族間での争いや揉め事に発展しやすく、まさに「相続」が「争族」化してしまい、私どもとしても骨が折れる案件です。
 また、他にも借地に建っている建物の所有者がその建物を置いて行方知れずになってしまっている事例も悩ましいです。この場合は相続財産の土地が区画整理事業地内にあるケースや土地が細かく各所に点在しているケースなどがほとんどです。いずれも会計事務所単独では対処しきれない案件となることが多いため、弁護士や司法書士、行政書士、不動産鑑定士らのご協力を得て取り組んでいます。先にお伝えした通り、当事務所では他士業との連携体制を強みとしているので、顧問先もこういった難しい案件について安心感を持ってご相談いただけていることだろうと考えています。

地主の方以外の顧問先としては、どのような事業者がいらっしゃいますか。

大関 自宅用の磁気の治療器や足腰のサポーターなどの製造・販売業を営む企業様がいらっしゃいました。同社は当事務所の顧問先第1号で、日頃からの税務支援はもちろん、その範疇に収まらない多様な相談に応じてきました。例えば新製品の開発にあたっては「お知り合いの方にも試作品を使っていただき、意見や感想をいただきたい」と相談を受けましたし、逆に私の妻が「ヘバーデン結節(※)の痛みを軽減する指の補助具を開発してほしい」とリクエストし、指関節を保護するゴム製の保護器具を開発してくれたこともありました。幸いにもこの商品は現在、同社の売れ筋の一つになっています。
 また、中古車販売事業を主軸に複数の事業を幅広く展開している企業様が記憶に新しいです。当事務所としてはこの30年以上、税務や資金繰りなどの面で支援を続けてきましたが、出会った当初はミカン箱一杯に領収書や請求書、取引記録、支払調書などの書類を一緒くたにして持って来られ、驚いたものでした。今となっては各事業で成功し、企業としても大きな成長を遂げられました。

※ ヘバーデン結節……指の第一関節の軟骨が摩耗することで関節の変形、腫れ、屈曲などを起こす病気。

顧問先支援は対面が基本次代に引き継がれる事務所のスタイルとは

室内は開放的で、外から応接室、執務室が見渡せます


顧問先支援にあたっては対面でのやりとりを基本としているそうですね。

大関 昔も今も、顧問先とはとにかく直接お会いして話し合い、交流を深めることを大事にしています。コロナ禍の時世でも可能な限り対面でのやりとりを心掛けました。
 この方針は開業当初から続けているもので、当事務所の特徴でもあります。その思いは事務所の作りにも出ており、応接室は外から部屋全体が見える開放的な作りとなっています。さらに外からは大きなガラス窓を通して応接室の奥にある執務室も眺められるようにし、開放的な事務所を体現しております。事務所を建てる際、「顧問先が安心感や開放感を持って、リラックスして話せる環境を作ろう」と考えたのですが、おかげで初めてご来所いただくお客様から「会計事務所は敷居が高くて訪ねづらい場所だと思っていたが、来てみたらざっくばらんにお話を聞いていただけて安心した」と言っていただくことが多々あります。
 この開放的な空間がそうさせるのか、実際に多くの顧問先が日々、生活面での困り事やお子さんの進路といった家庭の話まで、税務の範疇に収まらないさまざまな相談を寄せてくれています。顧問先がこうして心を開いてくれることをうれしく思いますし、こうした悩みに耳を傾けることも、税理士としての大切な役割だと考えております。

10年ほど前から、ご子息様も事務所に加わって税理士資格の取得を目指されていると伺いました。事業承継など、今後の展開についてお聞かせください。

大関 息子は息子で今後の事務所の展開について考えがあるかと思いますが、今申し上げた顧問先との対面でのやりとりを何より大事にするスタイルについては、既に引き継いでしっかりと守ってくれているのを感じています。長い付き合いのある顧問先やそのご子息とも交流を重ねているようで頼もしい限りです。最近は息子に任せる業務も増えており、「いずれは承継を」と考えていますが、私としては生涯現役、引き続き長年の知見を活かして助言をしたり、顧問先との話し合いの席に同席したりと陰ながらサポートしてまいります。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします。

History & Story税理士までのあゆみ

 高校生の時、弁護士だった叔父の五十嵐 岩男氏(故人)から将来の仕事として勧められたことで初めて「税理士」という仕事を知ったという大関先生。当時はまだ進路について具体的に考えてはいなかったそうですが、大学進学後にあらためて税理士を目指して勉強を始めたといいます。大学卒業後、都内にある2軒の会計事務所で働きながら勉強を続け、29歳の時に税理士資格を取得。地元である千葉県柏市で現在の事務所を開業されました。2011年には大病を患いますが、半年間の入院と自宅療養・リハビリを経て復帰、その後も奥様やご子息様、事務員の方とともに数多くの顧問先支援を続け、現在に至ります。

大関久税理士事務所

大関久税理士事務所
所在地/
千葉県柏市十余二404‐6
TEL/
04-7134-5218
設立/
1992年
職員数/
3名

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