
顧問先支援の傍ら研修活動や
会計システムの研究に注力
国税OBとしての知見を活かし、札幌市や周辺地域の地場企業の税務・経営を支えてきた 浦田敏仁税理士事務所。浦田先生は本業の傍ら、 MJSのシステムの活用法を熱心に研究され、MJS主催の研修・セミナーでも活躍、 この7月からはミロク会計人会連合会・研修委員会の委員長を務めておられます。
国税OBならではの視点で顧問先支援に注力
浦田先生は約10年間、道内各地の税務署に勤務した後、税理士になられたそうですね。まず、当時のご経験からお聞かせいただけますか。
事務所の経営にミロク会計人会の研修委員会の運営にと
精力的に活動されている浦田 敏仁先生
浦田 敏仁所長(以下、敬称略) 札幌市内の他、北海道内の税務署で毎年30件ほどの法人調査に携わり、10年間で通算200名以上の税理士とやりとりを重ねました。さまざまなタイプの税理士の事務所経営の仕方や顧問先支援に臨む姿勢、考え方などに触れてきた経験は現在も大いに役立っています。
顧問先の税務・経営支援にあたって、どのようなことを心掛けていますか。
浦田 税や会計の専門家として経営者自身が気付いていない視点や課題をお示しすることを意識しています。例えば、創業間もない経営者の場合、売り上げが順調でも初期投資費用などがかさんで経営体力がつかず、さらに法人税が発生して落胆しがちです。そんな時は法人税が発生したのは当期純利益がしっかり出ていることの裏返しであることを伝え、「この調子で純利益が伸びれば3年後には資金繰りが楽になる」と先を見据えた助言を行うようにしています。
もちろん、国税OBとしての経験を活かし、税務署に指摘されない税務指導を行うことも意識しています。同時に、節税目的でのグレーな経費計上をするより、いかに利益が上がるかを考えることの方が重要であることを説明するようにしています。
また、税務署時代を振り返っても感じることですが、税理士という職業はどうしても孤独になりやすく、「自分の事務所のやり方が正しい」と考えが凝り固まってしまいがちです。私はそうならないよう、自戒を込めて毎朝必ず新聞のすみずみまでに目を通すようにしています。外の知見に触れ、自身の常識を改める場が必要だと思いますし、最近はX(旧Twitter)で税理士・会計士の投稿にも目を通し、改正項目や新刊書籍などの情報を得ています。「何かの足しになれば」を信条に、自分の思考をアップデートすることが顧問先の利益にもつながっていくと考え、日々学び続けています。
MJSシステムの導入支援や活用法の研究に尽力
顧問先の特徴や傾向についてお聞かせください。
浦田 札幌市とその近郊の恵庭市や千歳市、石狩市などに100~110件の顧問先を抱えています。半数が公共事業などを請け負っている建設事業者で、その他は不動産業者やフランチャイズ店経営、広告の制作会社、小売業、卸売業などさまざまです。
顧問先へのMJSシステムの導入サポートに尽力いただいているそうですね。
浦田 MJSのシステムは残高設定の必要がないなど他社製品と比べても新規導入をスムーズに行える設計になっていると肌で感じており、導入した顧問先にも好評です。創業時から税務顧問を務めている札幌市内の会社には以前、「ACELINK NX記帳くん」をリリース直後に入れてもらいました。経理に精通した社員がおり、経営者の管理会計に対する意識も高かったので、システム導入までの流れもスムーズでしたね。同社は後に業務の幅を広げて国際的な仕事も担うようになり、東京・渋谷に本社を移した際には離れた事業所間でも最新データをリアルタイムで共有したいとのことで「かんたんクラウド会計」を導入いただくことになりました。
レイアウトを工夫し、広々と動きやすくしている
オフィスです
私自身、MJSのシステムは長らく使っていますが、会計システムのレスポンスが速いこと、税務システムに関してもこちらの計算間違いなどをシステム側から指摘してくれるなど、使い勝手もよく信頼性も高いのが強みだと感じています。カスタマーサービスのサポートが手厚いのもMJSならではで、先日も日曜日の朝にカスタマーサービスセンターに電話し、操作方法について尋ねたのですが、申し分ない対応をしていただきました。
また、最近のお話をすると、「Hirameki 7」(※1)はどう使いこなせば、普段の業務に取り込めるのか試行錯誤を重ねておりますし、それらと生成AIを組み合わせる可能性についても研究中です。生成AIの業務への活用に関しては、つい先日も、顧問先へお送りする文書をChatGPTに考えてもらったところ、しっかりとした文面を仕上げてくれて作業時間が短縮できました。新しい技術やシステムは、このように小さなことでもとにかくまずは自分で使ってみることが大事だと思っています。
他にも、MJS札幌支社と協力して実施している同業者同士の交流会「会計事務所経営研究会」ではMJS製品の利用有無、年齢を問わず参加者を集っており、仕事のことから人材採用のことまで何でも相談できる場となっています。会は好評で、今後も知見を広げるために継続したい取り組みです。
※1…MJSグループが提供する、業務効率化から営業支援、経営改善など、中小企業が抱えるDX化への悩みをワンストップで解決するプラットフォーム。会計事務所様には、顧問先の会計データを基に生成AIがレポートを自動作成してくれる「経営分析プラス」がおすすめです(https://www.mjs.co.jp/topics/lp/hirameki7/)
自分の学びや研鑽にもつながる研修委員会活動
浦田先生は6年前からミロク会計人会連合会の研修委員会に参加されています。そのご活動についてお聞かせください。
浦田 研修委員として、全国の優秀な先生方と意見を出し合い、幅広いセミナーの企画運営をしてきました。私自身もミロク会計人会連合会ホームページのオンデマンドセミナー講師として出演しており、昨年には「MJSの会計システムを使った決算説明のポイント」(※2)というテーマで、会計事務所に入ったばかりの人やMJSのシステムを初めて使う人向けの研修動画を制作し、公開しました。同ホームページでは他にも素晴らしい動画コンテンツが多数あり、会員は無料で視聴可能で、多くの方にご覧いただいております。私は今年7月から研修委員会の委員長に就任しましたので、今後はもっと多くの会員に動画を視聴いただけるための施策を委員の皆様と検討していきたいと考えています。
※2…【セミナー名】MJSの会計システムを使った決算説明のポイント~月次・予測・決算・予算の流れ~(https://www.mirokukai.ne.jp/learning/other/financial-results/2024-11-01/index.html)
そうしたご活動に取り組む上で、どんなことが原動力になっているのでしょうか。
浦田 まだ電子申告がこれほど普及する前、電子申告をテーマとしたMJSの無料セミナーに参加した際の経験から、私は「先輩方にしてもらったことを自分も実践したい」と思うようになりました。そのセミナーでは北海道ミロク会計人会前会長の中原 章博先生が講師を務め、事務所でどのように電子申告を取り入れ、仕組み化しているかを詳しく説明してくださいました。自らのノウハウを惜しげもなく提供する中原先生の姿に感銘を受け、そうやってノウハウを共有し合う機会が新しい技術やシステムの普及にとっていかに大事かを実感したのです。
そこで、私も中原先生を見習って、ミロク会計人会連合会の研修委員としてシステムの活用法などを広く伝える活動に尽力してきました。セミナーや研修の準備をする過程で業務の整理や復習になりますし、研修動画を作る際にMJSのCS担当の方との打ち合わせでシステムの新しい知見を得るなど、自分自身のスキルアップにもつながっています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
浦田 引き続きミロク会計人会の活動に積極的に携わり、「ACELINK NX-Pro」の使い方などを会員に向けて広く発信し、オンデマンドセミナーのアクセス数拡大にも努めます。もちろん、事務所運営においても顧問先へのシステム導入支援や自計化推進を続け、顧問先の発展と、MJSのシステムをより広めることにも貢献していきたいと思います。
今後の研修委員長としての先生のご活躍をお祈り申し上げます。
History & Story税理士までのあゆみ
高校生の頃から、将来は専門的な職に就きたいと考えていた浦田先生。大学受験前に『国税専門官への道』(法学書院)という本に出会い、税理士の仕事に興味を持ったといいます。大学では経済学を専攻、国税専門官試験に合格し、卒業後は札幌国税局へ。以後、道内各地の税務署で法人税調査に携わる中で「税理士試験にチャレンジしてみよう」という気持ちが強くなり、税務署勤務の傍ら専門学校の税理士講座に通うなどの努力を重ね、簿記論と財務諸表論に合格することができたそうです。
その後、34歳で税理士登録し、縁あって公認会計士の大西 勲先生の事務所で実務経験を積んだ上で2017年11月に独立、現在の事務所を開業されました。
浦田敏仁税理士事務所
- 所在地/
- 札幌市中央区北8条西 18丁目35-100 エアリービル3F
- TEL/
- 011-213-8676
- 設立/
- 2017年
- 職員数/
- 4名
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札幌の海鮮グルメを堪能‼
「味処なか村」で北海道の味覚を満喫
北海道の味覚、甘みとプリッとした
食感の「花咲ガニ」
絶対に頼みたい「ウニのほんわか蒸し」
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札幌市営地下鉄南北線すすきの駅から徒歩3分、ビルの5階にある「味処なか村」は、旬の刺身や天ぷら、焼き物、揚物、鍋など海鮮を中心とした和食が評判の居酒屋です。店内はカウンター席と小上がり席があり、企業の接待や会食の場としても重宝され、常連にはプロ野球関係者も。店内は道内外のリピーターや観光客でいつもにぎわうススキノの名店です。
大将の中村 益英さんは、高校卒業後に当時の日本国有鉄道に勤めていましたが、「憧れの料理の道に進みたい」「自分の店を持ちたい」と一念発起。地元・北空知から札幌へ出て市内の料理店で修業を重ね、1998年に独立しました。「修業時代は毎日、市場を見に行き、いつどの時期にどんなものが獲れるか、素材についてとことん勉強した」と言います。そんな中村さんが作る料理は、四季折々の旬の素材を活かしたメニューが満載です。秋の筆頭は「たち」(タラの白子)を使った料理で、「たちの天ぷら」や朴葉(ほおば)の上に載せた西京味噌あえの「たち」を炭火で焼く「たちの朴葉焼き」がおすすめ。初夏から秋にかけてが旬の花咲ガニも絶品。また、9月後半から1カ月限定で出される名物の「生ししゃもの握り寿司」や「ししゃもの骨せんべい」も美味です。
愛情たっぷりの料理でいつも元気に迎えてくれる中村さんですが、4年前には生死をさまよう大病を患い、半年の入院生活を余儀なくされたそうです。コロナ禍でススキノ全体の約1~2割の店舗が休業・廃業に追い込まれる中、それでも中村さんは「待っていてくれるお客様のためにもう一度この店でやり直そう」と奮起されました。店を再開して今年で3年目、客足はコロナ前の水準に回復。「お客様が美味しいと喜んでいる姿を見るのが何より嬉しい」と笑顔の中村さん。ススキノを訪れた際には、再生した「味処なか村」にぜひ足を運んでみてください。
60もの店舗が軒を連ねる場外市場
市場グルメと言えば海鮮丼
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札幌市中央卸売市場 場外市場には、隣接する中央卸売市場で仕入れた旬の海鮮や乾物、農産物を販売する約60店舗が軒を連ねています。9月から10月にかけて旬を迎えるのは花咲ガニやタラバガニ、秋サケ、キンキ、イクラなど。通年でも4大かに(毛ガニ、ズワイガニ、花咲ガニ、タラバガニ)がいけすでストックされています。自分で選んだカニを店舗でゆがいてもらい、発送することもできます。また20店舗は食堂で、海鮮丼などの〝場外 市場めし〟が人気です。
さらに海産物だけでなく、農産物も北海道ならではの品ぞろえ。ジャガイモやとうもろこしはお土産品として人気ですし、9月なら「富良野メロン」の他、巨大なキャベツ「札幌大球(さっぽろたいきゅう)」、栽培が難しく〝幻の玉ねぎ〟とも呼ばれる「札幌黄(さっぽろき)」などもおすすめ。札幌中央卸売市場では9月の後半にこの札幌黄の初セリが行われ、一般客も2階から見学できます。ぜひ一度足を運び、北海道の山海の幸を堪能するとともに市場の活気に触れてみてはいかがでしょうか。

