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事務所訪問

紆余曲折を経て新たなスタート
顧問先の経理環境改善に尽力

他事務所との合併と退職、再度の独立という大きな転換期を経て、自らの税理士としてのあり方を 見つめ直したというshima会計の所長、島元 宏忠先生。かつての拡大路線から一転、現在では 何よりもまず地元の中小事業者の経理の省力化に地道に取り組み、過去3年分の月次決算の内容を 比較できる「シマ式月次決算書」を軸とした経営サポートが多くの顧問先から好評を得ています。

規模拡大、合併を経て退職し新たなスタート

以前は事務所の規模拡大を目指し、他の事務所との合併も経験されたそうですね。その経緯からお聞かせください。

顧問先の経理・会計環境を整えることが使命だと語る
島元 宏忠先生

島元 宏忠所長(以下、敬称略) 2007年に3名でシマ会計を立ち上げて以降 、「職員100名体制」を目標に掲げて事務所の規模拡大を着実に進めました。その成長を支えた要因としては、顧問料を見える化したことが大きかったと思います。金銭的に余裕がない経営者やこれから起業する人が不安を感じないよう、決算申告手続や源泉所得税の計算・指導など最低限必要な税務会計業務を行うAコース、決算シミュレーションや試算表説明、訪問相談も行うBコース、融資支援や経営計画策定支援、計画策定後の予算と実額の管理、販売管理まで担うCコース、といった具合にプラン分けをしてそれぞれの料金とともにホームページで明示したのです。現在でこそ同様に顧問料を公開している事務所は多いですが、当時はまだ珍しく、これが「分かりやすい」と評判になりました。
 顧問先数の増加に合わせて職員の増員も行い、50名規模まで成長し、顧問先の事業の立ち上げ支援や経営指導などのコンサルティング事業にも手を広げました。
 そうした規模・事業拡大の流れの中で、当時の副所長から30名程度の事務所との合併話が持ち上がったのです。さらなる成長につながるメリットが大きいので同意しましたが、実は私自身はあまり乗り気ではありませんでした。人見知りな性格ということもあり他事務所とうまくやれるか不安でしたし、ちょうどその頃、規模拡大にまい進する中で顧問先とのコミュニケーションの機会が減ってしまい、「本当にこれで良いのか」と思い悩むようになっていたからです。結果として合併から2年後の2025年6月、方針の違いなどから私は事務所を退職することとなりました。

その約1カ月後にはshima会計として再度独立し、新たなスタートを切られたわけですが、どのような構想があったのでしょうか。

島元 正直、ノープランでした。急きょ7月の第2週に現在の事務所物件を賃貸契約し、クーラーもなく机も納品されていない状況で、段ボールの上にパソコンを置いて仕事を始めました。ただ、前事務所から一緒についてきてくれた職員の他、以前、資格学校の講師を務めていた時代の教え子が「島元先生のところで働きたい」と加わってくれることになるなど、信頼できる仲間が揃っていたのが心強かったですね。そしてありがたいことに、前事務所から約100社の顧問先を引き継いでいたので、新事務所の経営を軌道に乗せることができました。

顧問先の経理・会計環境をすっきり整える

現在はどのような方針で税務・経営支援に取り組まれていますか。

大通りに面しており、明るい雰囲気の執務スペースです

島元 独立後、札幌市内を中心にさまざまな業種の顧問先の税務・会計支援を担当していく中で、私は改めて税理士としての自分を見つめ直しました。振り返ってみれば、かつて前事務所の規模が大きくなり始めた頃には損得勘定やコストパフォーマンスなどを念頭に仕事を判断してしまいがちでした。しかし、私たち専門家を最も必要としているのは「経理体制が整っていない小さな会社」であり、例え割に合わなくてもそうした会社の経理・会計環境を改善することこそ私たちの使命ではないかと思い至ったのです。
 以後、私はその使命を前面に押し出して税理士業務にあたるよう心掛けています。
 営業力があって次々と仕事は取ってこられるのに、人手不足で書類整理が追いつかず、経理面の管理も杜撰(ずさん)で請求漏れなども日常的に発生してしまっている―、そんなケースが中小規模の事業者ではしばしば見られます。経営者の方は本業に全力投球するあまりそうした状況を放置してしまいがちなのですが、経理・会計環境をすっきり整理するだけで資金繰りが改善し、経営がうまく回り始めます。そこで、経理代行業で独立起業した先輩とも連携しながら、積極的に顧問先の経理・会計面での課題解決に取り組んでいます。
 また、過去3年分の月次決算と比較できる「シマ式月次決算書」を軸とした経営サポートにも力を入れています。顧問先の経営者の皆様が1カ月先の決算だけでなく、その先の1年間を見据えて行動プランを組み立てられるよう、この月次決算書をもとに現在の経営状況を丁寧に説明しています。もちろん、顧問先が設備投資や新しい商材の扱いを検討される際には、活用できる補助金や会計上の処理についてアドバイスしますし、賞与の出し方や労務問題など中小企業ならではの悩みにも全面的にサポートする姿勢を大切にしています。

現在は6名体制とのことですが、事務所内の業務分担はどのようにされていますか。

島元 以前の事務所では効率化のため、パートが記帳代行、職員が決算書や試算表の作成、私を含めた2名の税理士が申告書の作成と完全分業制にしていたのですが、そうすると自分の担当以外の業務に関心を持たなくなってしまう傾向がありました。そこで現在は、記帳代行の管理などは担当者を決めているものの完全な分業にはせず、私をはじめとして職員たちそれぞれが顧問先の経営状況を全般的に把握することを基本としています。

AI時代の新たな税理士像を模索

今後の事務所の展望についてはいかがでしょうか。

島元 先ほども顧問先の経理・会計環境を整えることが私たちの使命と申し上げましたが、まずは今後もその使命を着実に果たしていきます。その上で税務・会計分野に限らず幅広い経営上の課題を改善するお手伝いができればと考えています。例えば当事務所には現在、元システムエンジニアのメンバーがおり、当事務所独自のシステム構築やDXを任せています。ついこの間、彼が顧問先の老人ホーム向けに、出勤可能な曜日などの条件を入力するだけでシフトが組めるプログラムを作ったところとても喜ばれました。このように、顧問先それぞれの事業内容や経営状況に合わせた支援を心掛けていきたいと思います。

最後にミロク会計人会連合会の理事や北海道会の副会長としての今後のご活動についてお聞かせください。

島元 札幌地区会の活動をもっと活性化させたいと思っています。税理士の知識が必要な業務の多くがいずれAIで代替できるようになると言われる今、「専門知識を持っている」だけではもう通用しません。お客様がAIを使っているという事実を前提に、私たちのサービスはどのように変わっていくべきか、志を同じくする税理士同士で集まって議論を重ねる機会を設けていきたいですね。

新たなスタートを切ってから約1年、これからのますますのご発展をお祈りいたします。

History & Story税理士までのあゆみ

大学浪人を経て19歳で専門学校に入学 。当初はなかなかやる気がでなかったそうですが、陰で努力する同級生の姿に刺激を受けてライバル意識が芽生え、簿記1級を取得されたといいます。その後、「この調子で税理士資格も」と本腰を入れ、同校で4年間学んだ後、6年間、講師を務めながら勉学を重ねて税理士試験に合格 。市内の会計事務所勤務時代には、担当顧客0件から1年間で30件を開拓されたそうです。約5年間勤めた後、2007年に3名でシマ会計を開業。その後、事務所規模の拡大と合併を経て、2025年6月に退職。同年7月にshima会計として再独立を果たされ、現在に至ります。

shima会計

shima会計
所在地/
北海道札幌市北5条西15丁目1-26 つむぎビル北5条2F
TEL/
011-699-6032
設立/
2025年
職員数/
6名

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