CHANNEL WEB

事務所 訪問

2019年12月号

松葉秋水税理士事務所 株式会社広島会計センター 写真

顧問先の事業拡大や新規事業
立ち上げのサポートに注力

広島県呉市の税理士事務所で11年間にわたり所属税理士を務めた後、約2年前に広島市で独立した松葉 秋水先生。 現在は母上の静子氏が会長を務める広島会計センターと共に幅広い業種の顧問先支援に尽力、特に顧問先の事業拡大や新規事業立ち上げなどを手厚くサポートしています。

呉市から広島市へ所属税理士を経て独立

松葉先生は親子でタッグを組み、広島会計センターと松葉秋水税理士事務所を営んでおられます。まずはそれぞれの特徴や組織体制について教えていただけますか。

松葉 秋水所長(以下、敬称略) 上記2つでさまざまなお客様の案件を協力して手掛けています。税務関係は松葉秋水税理士事務所が一手に引き受け、母の松葉 静子が会長を務める広島会計センターでは記帳代行や経営コンサルティングなどを行っており、正規社員2名、パート1名が働いています。

現在の広島市中区の事務所で業務を開始したのは2017年6月からで、それ以前は広島県呉市の事務所におられたそうですね。

松葉 私は大学進学を機に東京に出て、在学中から税理士資格取得を目指して勉強を始めました。卒業後も専門学校に通って勉強を続け、30歳で資格取得、その後、地元である呉市の迫正博税理士事務所へ。税理士登録を行うには2年間の実務経験が必要であるため、最初は先生の補助として事務作業を行い、06年からは所属税理士(補助税理士)となって約11年間働きました。

迫正博税理士事務所は、どのような特徴を持つ事務所でしたか。

松葉 迫先生はもともと銀行員として働いていた方で、金融機関で培った知識やネットワークを生かした顧問先支援に特に力を入れておりました。また、医療関係の顧問先支援が得意で、医療法人設立などの案件は非常に勉強になりました。当時は広島会計センターも呉にあり、互いに連携しながらお客様に多様なサービスを提供していたのも特徴の一つです。

呉市といえば、明治時代に海軍の鎮守府が置かれたことや造船・鉄鋼産業が発達したことなどで知られています。現在はどのようなまちなのでしょうか。

松葉 呉市の人口規模は広島県内で福山市に次ぐ3位。波風穏やかな瀬戸内海に面し、江田島・倉橋島が天然の防波堤となっている他、十分な水深にも恵まれた天然の良港です。明治時代以降は帝国海軍・海上自衛隊の拠点となり、戦前は呉海軍工廠で世界最大の戦艦「大和」などが建造され、東洋一の軍港、日本一の工廠としてその名を知らしめました。戦後、その鉄鋼関係の技術はJFEや日鉄日新製鋼などの大手鉄鋼メーカーに引き継がれ、呉海軍工廠はIHIの「ジャパン マリンユナイテッド呉工場」となっています。また、海上自衛隊呉基地の軍事関連施設は観光資源でもあり、「大和ミュージアム」や「てつのくじら館」などの博物館もあります。16年には「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴 ~日本近代化の躍動を体感できるまち~」として日本遺産に認定され、話題になりました。

どのような業種の顧問先が多かったですか。

松葉 飲食業から製造業、医療関係までさまざまでしたが、呉市ならではの業種でいうと海運業者やカキ養殖業者なども多かったですね。

呉市の迫正博税理士事務所での11年間を経て、広島市で独立された経緯をお聞かせください。

松葉 所属税理士として経験を積んだ上で、13年に結婚したのを機に独立を決意しました。ちょうど母の広島会計センターが広島市に事務所を移転する予定になっていたので、私の個人事務所を併設し、お互い協力してより幅広い顧問先支援を行おうということになりました。ちなみに、広島市に拠点を築くにあたっては、迫正博税理士事務所時代に私が担当していた顧問先を6割ほど引き継がせていただきました。呉市時代と比べて税理士としての仕事内容はほぼ変わりませんが、迫正博税理士事務所ではあくまでも事務所の所属税理士だったので、独立後は顧問先の経営への責任をより重く感じるようになりました。

写真1

2年前の開業でオフィス内は新しく、スペースもゆったりとられています

事業拡大や新規事業立ち上げなどの経営支援

広島市での新たな顧問先開拓はどのようにして進めましたか。

松葉 既存の顧問先の口コミの他、呉時代から密に連携していた地域金融機関の担当者から広島支店を紹介してもらい、そこからの声掛けで徐々に市内企業などの顧問先が増えていきました。飲食店や製造業、病院、地場企業、個人商店など業種は多岐にわたり、この2年間で新規顧問先が全体の5割ほどとなっています。

昨今の顧問先からの相談内容としては、どのようなものが多いですか。

写真3

事務所の付加価値を高めることを目標とする松葉 秋水先生

松葉 やはり事業承継や相続に関する相談が多いですが、経営支援にも注力しており、資金繰りや経営計画立案、開業などに関するアドバイスを行う機会もたくさんあります。

 昨今、広島市では地価が上昇し人口も増加傾向にあり、事業拡大や新規事業の立ち上げなど前向きな投資を行う事案が増えています。例えば顧問先のある運送会社は近年売上を堅調に伸ばしており、もう一つ別会社を立ち上げるべく準備を進めています。いずれは2社の連携体制で事業展開していく考えで、税務関係の相談に乗っています。

 また、2軒の個人開業医院から医療法人化に向けた相談を受けています。そのうちの1軒は医療法人化に合わせて新しく診療所を建て、総合的な医療を提供することを考えています。現在はそのための土地探しや人材探しを行っている段階で、こうした方面については母がこれまで培ってきた人脈が大いに生かされています。医療法人化の手続きについては私のほうで担当し、より事業承継が複雑化することや経営の視点が必要になることなどを顧問先に伝え、話を進めているところです。このように母子で連携し合い、役割分担することで税務面だけでない層の厚い経営サポートを手掛けています。

 また、私は宅地建物取引士の資格を取得しており、不動産コンサルティング会社も経営しています。顧問先から不動産取得などの相談を受けた場合のみ対応するスタンスなので案件数は多くないですが、この資格も幅広いニーズに応えることに貢献していると思います。

複数組織で役職を務め知見・情報を得る

顧問先の経営サポートやアドバイスを充実したものにするために、他にどのようなことに取り組んでいますか。

松葉 私は広島県の税理士協同組合、ミロク会計人会で役職を務めているので、それぞれの組織の研修に出る機会が多く、そこで得た知見を日々顧問先支援に生かしています。また、特にミロク会計人会の集まりでは全国各地の先生方と交流することができ、その中での税法や支援事例に関する情報交換は非常に有益なものになっています。最近では中国地方に大規模な税理士法人の進出が増えているので、個人事務所としていかに高い付加価値を創出し差別化を図っていくかを活発に議論しています。

最後に、今後の展望をお聞かせくださいますか。

松葉 これからも広島会計センターと当事務所の連携を強みに、またミロク会計人会の先生方との集まりや研修などで得た知見と情報を生かして着実に顧問先の経営を下支えしていきたいと考えています。そのためにも、特に税法改正や事業承継税制などの動向は常にしっかりと把握するよう心掛けてまいります。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします。

税理士までのあゆみ

 松葉先生の母上、静子氏が広島会計センターを立ち上げたのは、松葉先生が高校を卒業した頃のことだったそうです。当初、松葉先生に地元で働く考えはなかったそうですが、在学中・大学卒業後を通して勉強に励み、資格取得後は広島会計センターとともに地場産業を支えようと呉市へ。11年間、市内の迫正博税理士事務所で所属税理士として働いた上で独立、移転した広島会計センターとともに広島市内に事務所を構えました。

松葉秋水税理士事務所 株式会社広島会計センター

所在地
広島県広島市中区上八丁堀3-4-401
TEL
082-511-6666
設立
2017年
職員数
3名

▲ ページトップ