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木南会計事務所 写真

事務所訪問

顧問先とのコミュニケーションと
税務・会計DX対応に全力投球

戦後すぐから3代にわたって都内の中小企業・小規模事業者を支えてきた木南会計事務所。 3代目の木南 誠先生は顧問先とのコミュニケーションを重んじた税務・経営支援に努める傍ら、 東京税理士会麹町支部の情報システム委員長などを務めてきた経験を活かし、 会計事務所業務のDX(デジタル・トランスフォーメーション)にも取り組まれています。

顧問先と同じ目線でコミュニケーション

木南先生の事務所はご祖父様が東京・神田(千代田区)で立ち上げ、世代交代を経て今に至るそうですね。

DXを推進し、業務効率化や高付加価値化を目指されている
木南 誠先生

木南 誠所長(以下、敬称略) 当事務所は祖父が東京都千代田区神田で創業したのが始まりです。40年以上前に父が事務所を継ぎ、その後同じ区内の九段北に事務所を移転しました。父の代にはその地域柄、顧問先に出版社や印刷会社が数多くありました。ただ、この40数年でそうした事業所の中には出版不況や後継者不在で廃業したところもあり、現在の顧問先の業種は以前に比べて多種多様となりました。

木南先生はいつ頃、事務所に加わったのでしょうか。

木南 大学院を出た後に入所し、実務の傍ら勉学を続け、30歳で税理士資格を取得しました。
 父は手取り足取り仕事を教えるタイプではなかったので、私が資格を取得した後はすぐに複数の顧問先の主担当を任されました。不慣れなまま現場に入ったわけですが、幸いにも事務所にはベテランの職員が多く在籍しておりましたので、皆から税務・会計の実務について指導してもらいながら、仕事を覚えていきましたね。

お父様の代と木南先生の代で、それぞれ顧問先の税務や経営支援についてどのような方針を掲げてきましたか。

木南 まず父についていえば、顧問先に対して厳格に接していました。後に、ある顧問先様からは「世がバブル景気で浮き立つ中でも、先代から常に堅実・着実な経営を心掛けるよう助言いただいたおかげで、バブル崩壊後の景気低迷も乗り越えられたと思っています」とお話しいただいたことがありました。
 一方、私はというと、何より顧問先と同じ目線を意識し、時間をかけて話を聞くことに注力してきました。ちょうど私が入所した頃はバブルが崩壊し、後に「失われた30年」と言われる経済低迷期が始まった時期で、これまで指導やアドバイスよりも、顧問先とコミュニケーションを重ね、一緒に難局を乗り越えてきたという実感があります。

お父様から木南先生への事業承継はいつ頃だったのでしょうか。

木南 父が2007年に他界した後、そのまま私が代表を引き継ぎました。26歳からずっと父と共に多くの顧問先を支えてきたので、事業承継はとてもスムーズでした。ただ、父という後ろ盾がいなくなったことへの不安やプレッシャーは想像していた以上に重く、まだまだ力不足なのではないかと思い悩むこともありました。そんな時、ある顧問先様から「今がそのタイミングだと神様が判断したから、君が代表になったんだよ」と言われ、不思議と気が楽になり、それ以来、事務所全体を俯瞰して見ることができるようになったと感じています。顧問先様からの励ましの言葉もこれまで積み重ねてきたコミュニケーションのおかげだと思うと嬉しくなりましたね。

顧問先からはどのようなご相談が多いでしょうか。

木南 やはり事業承継や相続に関する相談が多いですが、最近はゼロゼロ融資の返済といったコロナ禍の後遺症で資金繰りに苦しんでいる事業者も増えている印象です。私としても顧問先の目線を意識してどうキャッシュフローを回して今を乗り切るか、その方策を税務・会計面のデータを示しながら一緒に考えるようにしています。

税務・会計DXの課題と必要性

木南先生は東京税理士会麹町支部の情報システム委員長を務められた他、ミロク会計人会連合会でも情報ネットワーク委員会の委員としてご活躍いただいています。その中で電子申告の普及など、税務・会計業界の変革に身近で触れてこられたと伺っております。

各職員はモニター3台をフル活用し、
業務効率化に注力

木南 約20年前、縁あって東京税理士会麹町支部の情報システム委員長を引き受けた頃から、国税庁が電子申告・納税の促進に力を入れるようになりました。今でこそ電子申告は当たり前ですが、当時だと紙での申告が中心でしたね。当時の会計業務の現場では電子申告に切り替える手間がネックになり、なかなか普及しなかったのですが、徐々に電子申告への切り替えを進めていこうという機運が高まっていくのを肌で感じていました。その中で、東京税理士会麹町支部では税務・会計ソフトメーカー各社を集めて操作研修会を開くなど、電子申告の普及に向けてさまざまな取り組みを推し進めてきました。

昨今、税務・会計DXの必要性が盛んに訴えられていますが、そうした動向についてはどうお考えでしょうか。

木南 電子申告の浸透に時間がかかったように、たとえそれで大幅に効率化・省力化できると分かっていても、税務・会計DXには時間がかかるのではないかと考えています。新たなシステムを取り入れて従来の業務のあり方を変えるのは、導入初期に一時的に手間が増えて「逆に非効率」などと思われかねないからです。私もICT機器や最新のシステムなどは常にチェックし、なるべく「まずは使ってみる」ことを心掛けてきたので、その大変さがよく分かります。
 例えば、数年前にOCR(※)による自動仕訳を試験的に導入したのですが、ベテラン職員から「OCRシステムでスキャンしてデータを作るより、手入力したほうがよほど早い」と言われたことがあります。確かにそれはもっともですが、税務・会計DXが急務とされる昨今、一時的にコストや手間をかけてでも新しいシステムの導入に取り組み、最終的にはこれまで1件につき5秒かかっていた手入力を“自動化でゼロ秒”にすることを目指さなければなりません。それほどまでに人手不足は逼迫している状況だと思います。
※ OCR(Optical Character Recognition/Reader、光学的文字認識)……手書きや印刷された文字をイメージスキャナやデジタルカメラで読み取り、 コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術。

ユーザー目線に寄り添ったシステムとは

ユーザーの業務フローがそれぞれ異なる中、新しいシステムをいかに導入しやすく、使いやすいものにするかは各ベンダーの腕の見せ所ですね。

木南 その点でいうと、MJSの「ACELINK NX-Pro 会計大将」(以下、会計大将)でのインボイス対応コードの入力をしていて素晴らしいと思ったのが、消費税のコードを増やさなかったことです。他社のシステムのように「売上消費税」と「仕入消費税」、「課税事業者からの仕入」と「免税事業者からの仕入」をそれぞれ別コードにしてしまうと、コードの種類が増えてしまい入力作業が大変煩雑なのですが、会計大将では内税仕入の10番コードと別に「課税事業者」「免税事業者」の項目を選択する仕様になっているので、コードの数が少なく抑えられているわけです。細かい話ですが非常に大事で、日常的な入力業務の現場の実態をよく想定していると感じました。ただ、業務のあり方は個々の事務所で大きく異なるので、ベンダーがその全てに応えることは非常に困難です。要望に応えるのであれば、試行錯誤でシステムを作り上げ、ユーザーのフィードバックを受けて改良する、その繰り返ししかないと思います。

最後に税務・会計DXと貴事務所の今後の展望をお聞かせください。

木南 先ほども触れたように、あらゆる業界で人手不足が深刻化している今、DXによる業務効率化、省力化、高付加価値化は至上命題です。特に会計事務所業界においては2019年10月に軽減税率制度が導入され、2023年10月にインボイス制度が始まり、もはやシステム抜きに消費税の計算業務などを行うのは難しくなっています。これからも「いかに従来の業務フローを崩すことなく新しいシステムを取り入れるか」を自身の事務所のみならず、広く業界全体で考えられるような場に携わっていきたいと思います。さらにそこで得た知見を活かして顧問先支援に繋げていきたいと考えています。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします。

History & Story税理士までのあゆみ

 木南先生が家業である税理士の仕事について明確に意識し始めたのは高校生の頃。大学生の時には、確定申告の時期に複数の税務署に申告書を提出して回るなど、事務所の業務を手伝うこともあったそうです。その中で自然と「自分も父の跡を継いで税理士に」と思うようになり、大学在学中に簿記2級を取得。大学院を卒業した後は、木南会計事務所に入所し実務に励む傍ら勉学を続け、1998年に税理士資格を取得されました。お父様が2007年に他界されたのを機に、代表を引き継ぎ現在に至ります。

木南会計事務所

木南会計事務所
所在地/
東京都千代田区九段北4丁目1-5 市ヶ谷法曹ビル3F-305
TEL/
03-3262-7001
職員数/
6名

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千代田区の桜の名所と絶品グルメとお土産

区内各所にある桜の名所
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東京都千代田区は、桜の名所が多数あることで知られています。まず有名なのが、皇居の北西側にあるお堀・千鳥ヶ淵。ソメイヨシノやオオシマザクラなど約140本の桜が遊歩道を歩く人の頭上に咲き、桜のトンネルの中にいるような体験ができます。また、皇居外苑の北の丸公園はソメイヨシノなど約330本が植えられた都内有数のお花見スポットです。そして、木南先生の事務所のすぐ近く、飯田橋駅から四ツ谷駅まで約2kmの外濠公園には約220本の桜が、市ヶ谷駅から九段下駅間にある靖国神社では約400本が境内や周辺に咲き誇ります。

新感覚ラーメンの名店
「Due Italian」
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Due Italian(ドゥエ イタリアン)は元イタリアンシェフの石塚 和生氏が手掛けるラーメン店。看板メニューの「らぁ麺フロマージュ」は、鶏ガラを主として昆布やホタテの旨味をたっぷり含んだ〝黄金スープ〟と、特製のとろ~り濃厚チーズが麺に絡まる、新感覚のイタリアンラーメンです。他にもレモン10個分の柑橘類を使用した「レモンらぁ麺」など、女性客が7~8割を占める同店ならではのメニューが揃っています。ミシュランガイド東京に3年連続掲載された名店です。

老舗のあられ、かき餅専門店
「さかぐち」
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創業1952年の「さかぐち」はあられ、かき餅の専門店。店内にはさまざまな形、大きさ、味の50~60種類の商品が揃っています。お米、しょうゆ、海苔など一つひとつの素材にこだわり、職人が丁寧に仕上げた味わいはどれもおいしく、この店でしか手に入れることができません。先代の「自分の目の届くところで商いを行いたい」という考えから多店舗展開を行わず、一店舗主義を貫いているからです。パッケージのデザインは型絵染作家の鳥居 敬一氏。味も風格も兼ね備えた老舗銘菓は、手土産にも最適。木南先生の事務所と同じビルの1階にお店があることから、先生もよく利用されているそうです。

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