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会計人のリレーエッセイ

2018年06月号

ローメン

加藤 正光

関東信越会

長野県伊那市 加藤 正光

伊那市内のお店にて。向かって左がスープ風、右が焼きそば風です

信州の名物と言えば「信州そば」を連想される方が多いと思います。「信州そば」の発祥地は伊那ですが、もう一つ伊那生まれのご当地グルメに「ローメン」があります。

生粋の伊那生まれで伊那育ちの「ローメン」は、ラーメンでもなく焼きそばでもない、不思議な麺料理と言われながらも、B級グルメで地域おこしを目指す祭典である「B-1グランプリ」にも出展し、全国にも知れわたってきました。「ローメン」の歴史は、市内の中華料理店主が、冷蔵庫が一般に普及していない昭和30年頃、1日でいたんでしまう生麺の保存法に苦慮して試行錯誤した末、生麺を蒸すことで日持ちさせる技法を考案しました。

この蒸し麺独特の風味を生かして創作した麺料理が「ローメン」です。具材は、マトンとキャベツのシンプルなもので、マトンは羊毛生産のために飼育されていた牧羊の副産物です。当時は塩漬けのものを使い、キャベツは周辺で大量に栽培されたものを使ったと言われています。

今では、市内の100に近い店舗でいろんな味が工夫されております。「ローメン」は創作当初から、太めの蒸し麺にマトンとキャベツの組み合わせですが、マトンの代わりに豚肉または牛肉の「ローメン」も提供されています。通からは邪道との声も聞かれます。

「ローメン」は焼きそば風とスープ風に大別されます。そしてもう一つの特徴が、テーブルクッキングで完成させることです。出された「ローメン」は店主自慢の味ですが、少し薄めでソース・酢・七味・ゴマ油・醤油・にんにく・ラー油・豆板醤・カレー粉・マヨネーズなどを好みにより、適量加えて食べます。

調味料のラインナップは店によって様々ですが、何回か通ううちに自分の味が出来上がり、ソウルフードとなってヤミツキになります。初心者にはハードルが高いため、説明文を置いてある店もあります。ちなみに私はスープ風の愛好者です。

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