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事務所 訪問

2018年06月号

あすか税理士法人 写真

顧問先満足度職員満足度の向上を目指し
最高の職場環境を追求する

 群馬県前橋市に事務所を構えるあすか税理士法人は、顧問先満足度や職場環境の向上を目指し、事務所の新築をはじめとしたさまざまな取り組みを展開しています。さっそく代表社員の田村 元先生に、事務所の現状や今後の展望について伺いました。

統合を通じて学んだコミュニケーションの重要性

1995年に開業されていますが、それまでの経緯についてお聞かせください。

田村 元代表社員(以下、敬称略) 私は東京の大学卒業後、専門学校や中小企業診断士事務所での勤務などを経て、地元の前橋市に戻りました。以来、税理士事務所で働きながら税理士試験の勉強に励み続けたわけですが、業務にひたすら追われたこともあって試験に合格するまでには長い時間を要しました。その間は本当に苦労の連続でしたが、家族や周囲の支えのおかげで、何とか試験に合格することができましたし、その苦労は私にとって人生の糧となっています。振り返ってみると、今の時代では考えられないような仕事の仕方でしたが、その厳しさを受け入れることで成長を遂げられたように思うのです。

その後、2004年に中島重徳税理士事務所と事務所を統合されていますが、その経緯についてお聞かせください。

田村 独立後、過去の勤務先の一つである中島重徳税理士事務所との統合の話が持ち上がったのです。中島先生がお年を召されたこと、病気になられたことがその背景にはありました。

具体的にはどのように統合を進めていったのですか。

田村 私が所長を務めさせていただくことになったのですが、規模は中島先生の事務所の方が大きかったので、そちらに私たちが入っていくという形態になりました。しかし、初めのうちはなかなか職員の皆さんからの信頼を得られませんでした。そこで私は、自分から積極的に職員に話しかけたり、毎日の朝礼などを通じて自分の思いを伝えることで、徐々に融和を図り、風通しが良くなるようにしていきました。

コミュニケーションを積極的にとることが、スムーズな事務所統合につながっていったのですね。

田村 そうですね。このコミュニケーションを大切にするという方針は現在も重視するようにしています。例えば私は毎日、早朝に事務所に来て、空調をはじめとした職場環境を整えるようにしているのですが、その後、職員が出勤しはじめると、一人ひとりに「おはよう」と声をかけるようにしています。すると、職員も「おはようございます」と返してくれるのですが、その時の表情や声のトーンから一人ひとりの体調やモチベーションを感じ取ることができるのです。そして、調子が悪そうな職員がいれば、あとであらためて声をかけ、問題点などを聞くように心がけています。

時代の変化を見据えさらなる統合で税理士法人に

2010年に税理士の安松 元先生を迎え、税理士法人化を果たしていますが、そこにはどのような背景があったのでしょうか。

田村 社会環境がますます複雑になっていく中、これから自分一人で事務所を切り盛りしていくのは難しいという思いがあり、安松先生を迎え入れ、法人化に踏み切ることにしました。安松先生のことは以前から存じ上げており、礼儀正しく、真面目な先生という印象を持っていました。そこである日、税理士法人化の話を持ち掛けてみたところ、二つ返事で承諾をいただくことができました。しかし、その場で決めてしまっては安松先生がゆっくりと考える時間がないと思い、1年ほど時間をおいた上でお互いの意思を確認し、一緒に税理士法人を立ち上げることになりました。

安松先生と業務のすみ分けなどは行っているのでしょうか。

田村 特にそういったことは行わず、どちらも業務全般に携わるようにしています。専門分野に特化することも大切ですが、やはり相続も含め、幅広い分野に携わり、事務所としての専門知識を深めていくことが大切だと思います。

一方でワンストップサービスの体制も整えておられますね。

田村 事務所内に社会保険労務士と行政書士がいるほか、外部の弁護士や司法書士などともネットワークを構築しているので、顧問先のニーズに柔軟かつスピーディに対応することができるようになっています。

写真1

木材の香りが心地よいデザイン性の高いオフィス

写真2

引渡し直後の空間

職場環境の向上を追求し居心地抜群の事務所を新築

より良い職場環境づくりに注力する田村 元先生

経営理念についてお聞かせください。

田村 経営理念としては、①租税正義の実現②お客様の成長と発展を通して社会に貢献する③お客様から安心・信頼・満足・感動していただける事務所④従業員満足度99・9%、お客様満足度99・9%を目指す事務所という4つを掲げています。また、経営の目標としては、①職員の生活の安定と確保を図る②企業として適正な利益の確保を図る③事務所を職員一人ひとりの自己実現の場とするといったことを掲げています。そういえば年頭の挨拶の際、期せずしてある職員が自発的に経営理念を提唱してくれたのですが、その時は「経営理念が浸透しつつあるのか」と大変うれしく思いました。

経営理念の4つ目にある「99・9%」という数字にはどのような意味合いがあるのでしょうか。

田村 最大限努力することは大切ですが、人は決して完璧ではないので、あえて0・1%を差し引くことにしたのです。

こうした理念や目標を実現するために、職員の皆さんにはどのようなことを望んでいますか。

田村 職員には常に向上心を持ち、進化し続けてほしいと思っており、研修やセミナーにはできるだけ出席させるようにしています。また、業務上の失敗から学ぶことも大切ですので、朝礼の際には間違ってしまったことやミスについて共有するように促しています。例えば、私自身が率先して自分の間違いやミスについて発表することで、職員が自分たちのことも話しやすいような雰囲気を作るといった感じにです。さらに当事務所では職員にそれぞれ担当の顧問先を割り振っているのですが、できるだけ経営者と直接対話する機会を作るように言っています。単に税務会計業務を担うだけでなく、経営者とのコミュニケーションの機会を持つことで、より難易度の高い相談を受け、それを頑張って解決しようとすることで成長を促すことができると考えているからです。もちろん、具体的な解決方法などについては私や安松先生も一緒になって考え、取り組んでいきます。

経営者との対話の時間を増やすために取り組んでいることはありますか。

田村 職員が顧問先に積極的に働きかける他、自計化の推進にも力を入れており、顧問先にはMJSの自計化ソフト「iCompass NX」を積極的に勧めるようにしています。記帳代行などに要する時間を短縮することで、対話やそこから始まるコンサルティングに時間を活用していきたいと考えているのです。また、ホームページでは職員のコメントやメッセージを大きく掲載するようにしているのですが、そうすることで顧問先に自分たちの担当職員の個性や性格を知ってもらい、より愛着や親近感を持っていただきたいと考えています。

事務所の建物が新しく素敵なことに驚きましたが、これも職場環境の向上を意識されたものなのでしょうか。

田村 その通りです。前の事務所はこのすぐ近くだったのですが、職場環境をより良いものにしたいと考え、こちらに新しい事務所を建て、昨年11月に引っ越しました。空気の流れを考慮した熱効率のいい建築を手がける知人の設計事務所に依頼し、居心地の良さを追求してもらいました。天井が高く、木のぬくもりに満ち、採光性に富んだ室内は開放的で、ノビノビと仕事ができるような雰囲気になっています。もちろん、その一方でマイナンバー対応を意識したセキュリティ対策にも万全を期しました。

離職率もかなり低くなっているそうですね。

田村 ありがたいことに多くの職員が長年にわたって勤務し続けてくれています。おかげで、当事務所には幅広い年齢層の職員が在籍しており、顧問先の経営者が話しやすい年齢層の職員を担当させることができています。

今後の展開についてお教えください。

田村 近いうちに私は第一線から退き、業務の多くは一回り若い安松先生にお任せして、より一層力強い推進を目指していただきます。この移行をスムーズに行うことが当面の目標ですね。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします

税理士までのあゆみ

ご実家が商売を営んでいたという田村先生は、ご両親から税務の大切さを聞き、学生時代からその道を意識するようになったそうです。しかし、大学時代はアルバイトに明け暮れ、本格的に税理士を志すようになったのは、大学を卒業してからだったといいます。そして大学卒業後、東京で昼は中小企業診断士事務所で働きながら、夜は専門学校での勉強という生活をスタート。その後、子育てに適したふるさとである前橋に戻り、税理士事務所で働きながら勉強に励むという日々を送ることに。それからは仕事中心の生活が続きましたが、先生は仕事の合間を縫いながら勉強を続け、1994年に税理士試験に合格、晴れて独立を果たしました。

あすか税理士法人

所在地
群馬県前橋市住吉町2-7-8
TEL
027-231-2748
FAX
027-231-3700
設立
1995年
職員数
15名

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