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会計人のリレーエッセイ

2019年09月号

御殿場市・市名の由来

青島 和伸

中部会

静岡県沼津市 青島 和伸

吾妻神社にある「御殿場発祥の地」の碑です

 静岡県東部、富士山の東麓に位置する御殿場市。人口は約9万人で東京から約100㎞の距離にあり、首都の経済圏・通勤圏にもなっています。

 戦国時代、この地は駿河・甲斐・相模の境界地帯として幾多の戦いに巻き込まれました。関ケ原の合戦に勝利した徳川家康は征夷大将軍として江戸幕府を開き、その後将軍職を辞し駿府城に移りました。

 ところで、市名の由来をご存知でしょうか。

 御殿場市の市名は、徳川家康が駿府と江戸を行き来する途中に休息・宿泊するために御厨(みくりや)の地に「御殿」の造営を命じたことに由来します。御厨とは、伊勢神宮に食糧を納める荘園を指す呼び名です。この御殿は家康の存命中には完成せず、使用する前に没してしまいましたが、造営は継続され、藩主が鷹狩りの際に使用されたようです。この御殿も藩主が代わった際に取り壊され、現在は市内の吾妻神社付近に土塁が残るのみとなっていますが、吾妻神社境内には「御殿場発祥の地」の碑が建っています。

 時代とともに荘園は無くなりましたが、御厨の名は地域を示す呼び名として現代まで引き継がれています。

 平成28年5月には「伊勢神宮献納米御田植祭」が行われ、秋に収穫される「イセヒカリ」が稲穂の状態で奉納されました。同年7月には徳川氏御殿造営400年記念シンポジウムも開催されました。

 御殿場市は秩父宮記念公園をはじめ、キャンプ場・温泉・ゴルフ場・乗馬等、自然環境や景観を生かした施設があり、雄大な富士を眺めながらさまざまな体験・活動を楽しむことができます。

 御殿場市内には「富士山」「御殿場」「みくりや」にちなんだパワースポットが数多くあります。御殿場市にお出かけの際には「まちなかパワースポット八箇所めぐり」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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