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会計人のリレーエッセイ

2020年02月号

万葉のふるさと~高岡~

梶 義明

北陸会

富山県高岡市梶 義明

 昨年、我が国は「令和」という新元号に改元しました。

 今さらながらとは思いますが、私の地元富山県高岡市は、万葉集に非常に所縁のある地域ということで...。

 新元号は「初春の令月にして気淑く風和らぎ 梅は鏡前の粉を披き蘭は珮後の香を薫らす」(万葉集 梅花の歌三十二首 序文)から出典されました。大宰府の長官であった大伴旅人が「梅花の宴」で自ら詠んだものとされています。大伴旅人が高岡市に馴染みがあるわけではなく、万葉集の編纂で有名な大伴旅人の長男である大伴家持が、高岡にとても縁があるのです。

 家持は天平18年(746年)6月、越中守に任じられ国守として越中国(富山県高岡市)に着任しました。そして5年間高岡に在任し、その間にたくさんの歌を詠みました。家持の歌は「万葉集」全歌数4516首のうち473首を占めており、このうち越中国守の5年間に223首もの歌を残しています。

 国守の居館は高岡市の北西にある二上山の麓、現在の高岡市伏木古国府あたりにあったそうです。近隣には多くの景勝地があり、家持は視察?を兼ねて、いろいろな場所を訪れていたのだと思います。あちらこちらで多くの歌を残しているからです。富山湾越しに立山連峰を仰ぎ見る雨晴海岸の絶景を見て、「立山に振りおける雪を常夏に 見れども飽かず神からなし」と美しい情景を詠った歌も残しています。万葉集に残された歌に加え、越中の美しい風物を詩情豊かに詠んだものも含め337首の「越中万葉」として残されています。

写真2

歴史館玄関の横に立っている、大伴家持と坂上
大嬢の像

 高岡では、例年10月に3日間で万葉集20巻4516首を全歌謳い続ける「万葉集全20巻朗唱の会」が開催されます。昨年も10月4日からたくさんの一般市民の方が参加され、当時の衣装を身にまとい万葉集を謳い上げられました。

 全国から参加者を募集していますので、ぜひ参加されてみてはいかがですか。ちなみにわたくしは、まだ参加したことはありませんが(笑)。

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