CHANNEL WEB

事務所 訪問

2021年11月号

税理士法人 青葉会計 写真

経営者の気持ちに寄り添いながら
多彩な支援メニューで不安の解消に努める

長野市を拠点とし、多彩な経営支援メニューを展開する税理士法人青葉会計。代表社員を務める松橋 丈雄先生と平井 幸光先生のお二人に、それぞれの独立の経緯や顧問先支援にかける思いについて伺いました。

勤務時代の思いを胸に税理士法人を設立

お二人とも他の会計事務所などでの長い勤務経験をお持ちですが、どのような思いで独立されたのでしょうか。

松橋 丈雄先生(以下、敬称略) 独立したきっかけを一言でいうと、「経営者の方と同じ目線で話ができるようになりたかった」からです。勤務時代の仕事は順調だったのですが、会社に守ってもらいながら仕事をしている私と、自分の責任で会社を経営している経営者の方との間に埋められない溝を感じるようになっていったのです。そこで、38歳の時に「このままではいけない」と、思い切って独立開業することにしたのです。

平井 幸光先生(以下、敬称略) 32歳の時に「何かを変えなくてはいけない」と感じて「人生の計画書」を作成したのがきっかけになりました。それを機に、税理士として独立することを目標にあらためて税理士試験にチャレンジすることにしたのですが(その時点で2科目には合格済み)、なかなかうまくいかず2006年からは仕事も辞めて勉強に打ち込み始めたのです。しかし、それでも消費税1科目の合格にとどまり、最終的には大学院に進学して修士課程を修了することで、11年に税理士資格を取得、12年に悲願の独立開業を果たしました。

もともとお二人は同じ税理士法人で勤務されていたそうですね。それぞれどのような印象を持っていましたか。

平井 当時から松橋先生は非常に熱心で、3冊の手帳を駆使して顧問先のことをしっかりと分析していましたね。

松橋 私は平井先生が独立した後のことが印象に残っています。独立前の私にとって、平井先生は実にきっちりとした雰囲気があり、うらやましく思ったのを覚えています。

税理士法人青葉会計の設立の経緯はどういったものだったのでしょうか。

平井 独立後に勉強会などでつながりのあった金井 秀夫先生に「事務所の承継を視野に入れ、一緒にやってみないか」と誘っていただいたのがきっかけになりました。それから数年が経過し、事業の持続性とサービスの充実を図るために税理士法人にしようということになり、松橋先生にお声掛けさせてもらったのです。

松橋 平井先生と金井先生がお二人でいらしてくれた際に意気投合し、すぐに一緒に税理士法人を立ち上げることを決めました。

経営者の気持ちに寄り添いコロナ禍を乗り越える

そういった経緯で立ち上げた税理士法人青葉会計ではどのような経営理念を掲げているのですか。

松橋 「会計・税務の専門家として、お客様の事業発展並びに地域社会の繁栄に貢献するとともに、すべてのスタッフの『豊かな人生・誇りある仕事』の実現を追求する」という経営理念を掲げています。3人で話し合いながら作成したのですが、顧問先に対する思いや支援の方針が似ていたこともあって、経営理念も行動指針もすんなりと決まりました。

顧問先の業種などに特徴はありますか。

白を基調とした清潔感あふれるオフィスです

白を基調とした清潔感あふれるオフィスです

平井 私が担当している顧問先については40~50代など、同年代の経営者が多いような印象があります。あと地域柄、建設業の顧問先が多いですね。

一方で新規創業の相談なども多いそうですが、どのような思いで支援されていますか。

松橋 私自身、独立してしばらくは資金繰りに悩み、日々、不安を感じていた時期がありました。不安が募り、夜中に飛び起きたりしたこともあるほどです。そういった経験を大切にしながら、経営者の気持ちに寄り添い、経営者の不安や苦しみを和らげるようなアドバイスや提案をするように心掛けています。特に最近はコロナ禍の影響が大きく、新型コロナウイルス感染症特別貸付の返済が始まってからの資金繰りなどに不安を感じる方が増えているので、時には中長期的な資金繰りをシミュレーションしながら経営者と一緒に対策を講じるなどしています。

やはり長野市でもコロナ禍の影響は大きいのでしょうか。

多彩な経営支援メニューを提供されている松橋 丈雄先生(左)と平井 幸光先生

多彩な経営支援メニューを提供されている松橋 丈雄先生
(左)と平井 幸光先生

平井 中には特需になっている事業者もいますが、飲食や観光については全体的に落ち込んでしまっています。まさに、多くの事業者にとってターニングポイントであり、これを機にどう変われるかが問われているように思います。ただ、当然ながら廃業の危機に瀕している事業者も増えていますし、中には早めにその決断をした方が良い事業者も存在します。だからこそ、私たちとしては引き続き経営者が冷静かつ客観的な判断を下せるよう、経営の見える化に努め、その情報提供に全力を注ぎたいと思います。

昨今、顧問先からはどのような相談が寄せられることが多いのでしょうか。

平井 金井先生が古くから担当されている顧問先からは事業承継に関する相談が数多く寄せられています。後継者がいる場合は前向きに事を進めることができるのですが、後継者がいない場合は辞め時を一緒に模索するなどしています。

M&Aなどを行うケースもあるのでしょうか。

平井 事業規模が小さく、かつ堅実な経営者が多いこともあって、M&Aなどの話題が上がることはほとんどありません。ただ、事業承継などのタイミングでM&Aが効果を発揮することもあると思いますので、M&A関連の情報にはきちんとアンテナを立てておきたいと考えています。

職員のレベルアップに努め多彩な支援メニューを展開

松橋先生は一般社団法人日本キャッシュフローコーチ協会に所属するキャッシュフローコーチでもあるそうですね。

松橋 キャッシュフローコーチとは「社長の社外CFOとして、経営数字を使って本業の発展をサポートする存在」であり、①経営者の意思決定の判断基準や根拠を裏付けすることで、実践を後押しする②顧問先の社員向けにお金の勉強会をすることで、社長と社員の立場の違いからくる危機感のズレを第三者的に縮め、ベクトルを揃えるといった役割を担います。具体的な取り組みは始めたばかりですが、決算までの利益・収益予測など、未来志向の分析やアドバイスを提供しています。

決算診断書の提供にも力を入れているそうですね。

平井 2年ほど前にMJSから紹介いただいた(株)プロスのソフトを活用し、MJSのシステムから決算診断書を作成し、顧問先に提供するようにしています。主要な項目が採点されていて、問題となる箇所が分かりやすいと、顧問先からも好評です。また、一目で3年分の売り上げや借入金などの推移がチェックできるようになっているので、資金繰りの改善点などにも役立てることができています。

職員教育についてはどのような取り組みを進めていますか。

平井 最近、力を入れているのが「朝読」です。職員全員に税務会計に関連する本を持ち寄ってもらい、始業前の10分間を読書の時間としています。「朝読」で何を読もうかと考えるだけでも、新たな知識を得たり、書店に足を運んだりするきっかけになるので、職員の好奇心アップにもつながっているように感じています。なお、税理士試験を目指している職員については、この時間も試験勉強などに充ててもらうようにしています。

松橋 その他、税理士向けの研修に関しても、職員にとって有用と思われるものについては、オンラインツールなどを活用して全員で視聴するようにしています。1日6時間に及ぶものもありますが、全員で知識の底上げを図る良いきっかけになっていると思います。

今後の目標についてお聞かせください。

松橋 従来の税務会計業務を軸に、税務会計や保険、コーチングなどのコンサルティング業務も手掛けられるようになっていきたいと考えています。

平井 税務会計の分析にさらに磨きをかけるとともに、生前の相続税対策などにも注力していきたいですね。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします。

税理士までのあゆみ

松橋 丈雄先生

松橋先生は長野市の割烹料理店の長男として生まれ、小学校高学年の頃から店の手伝いなどに励んでいたそうです。ところが、「いまひとつ料理店の仕事に馴染めず、両親からは早々に後継ぎ候補から外されてしまいました」と松崎先生。その後、大学在学中に税理士という仕事を知り、父上からも「税理士はいいぞ」と背中を押されたこともあって、税理士試験の勉強をスタート。大学卒業後は長野市内の会計事務所などに勤務しながら勉強に励み、2010年に税理士試験に合格、(株)星野リゾート、あがたグローバル税理士法人を経て、14年に独立開業して税理士登録を果たしました。

平井 幸光先生

大学卒業後は東京の自動車販売会社で営業職として働いていたという平井先生。ところが、3年ほど経った頃に心身ともにストレスが蓄積し、漠然と「今のままでいいのか」と自問するようになったといいます。そんなある日、古本屋で『税理士への道』という書籍を見つけて一念発起。2000年に奥様の実家がある長野市に移住し、会計事務所で働きながら勉強に取り組むことにしたそうです。そして、すぐさま2科目に合格したものの、その後はなかなか勉強に打ち込むことができず、最終的には東京の大学院に進学して科目免除を受け、2011年に税理士資格を取得し、12年に独立開業しました。

た。

税理士法人 青葉会計

所在地
長野県長野市鶴賀2141-3 信光ビル3F
TEL
026-219-2126
設立
2018年
職員数
7名

▲ ページトップ