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事務所 訪問

2020年04月号

下地寛一税理士事務所 写真

「丁寧にじっくり」をモットーに
地道に顧問先との信頼関係を構築する

資産税にまつわる案件を得意分野として、これまで紹介と口コミで数多くの顧問先の経営サポートをしてきた 下地寛一税理士事務所。「丁寧にじっくり」を常に心掛けている所長の下地 寛一先生に、 事務所のこれまでの歩みや展望を伺いました。

税務署職員としての学びを経て独立開業を果たす

まず開業に至るまでの経緯について伺いたいと思います。以前は税務署に勤めていたそうですね。

下地 寛一所長(以下、敬称略) 23年間、税務署に勤めた上で独立開業しました。早い段階から独立を見据えていたので、税務署職員時代は自ら希望を出して徴収、所得税、法人税、資産税など全てのセクションを経験、ひたすら勉強に励み、税務の知見と経験の幅を広げていきました。この時期に学んだことは、現在の税理士としての私の基盤になっていると思います。

 また、若いときから何らかの形で社会貢献したいという思いがあり、税理士の仕事が地域や社会と深く関わるものだということもあって、自治会や子どもの学校の行事などに積極的に参加したり、地元のスポーツチームの立ち上げに携わったりと、地域の友人・知人をたくさんつくりました。もちろん、税理士になってからも税理士会やミロク会計人会などでできるだけ役に就くようにしています。

前職時代から目的意識を持って税務について学び、地元の人的ネットワークを広げた上で独立されたのですね。開業後の滑り出しはいかがでしたか。

下地 友人・知人からの紹介や口コミで、多くの顧問先が集まり、独立1年目から黒字を達成することができました。まさに周囲の皆さんのおかげなので、本当に感謝しております。

事務所経営にあたっては、どのようなコンセプトを掲げられましたか。

職員一人ひとりが広めにデスクを使用することができるつくりのオフィス

職員一人ひとりが広めにデスクを使用することができるつくりのオフィス

下地 税理士の姿勢について、税理士法では「中立・公正であれ」ということが強調されています。もちろんそれは当然の前提ですが、だからといってこの「中立・公正」ばかりを意識してはいけないと、当初から考えていました。企業や個人の「顧問」となるからには、顧問先のためになることを第一とし、あくまでも顧問先の立場に立って仕事をすることが肝要ですし、それを税理士の使命として常に心に留め続けています。

 開業からしばらくしてある程度顧問先が増えてきたときに、このまま町の小さな診療所のような事務所でいるか、総合病院への発展を目指すかで迷ったことがあります。が、後者を目指すのであれば必然的に人員は増え、自分の目が届かない部分も生じてきます。そこで、私は自分の手の届く範囲で丁寧に顧問先に接していこうと決めました。以後、特にここ10年ほどは職員数も安定し、長く勤めてくれている人も多くなっています。

「丁寧にじっくり」顧問先に接する

事務所の強みや特長を教えていただけますか。

下地 やはり、私が前職時代に培った知識、中でも資産税関係に強いところは当事務所の一つの特長です。また、7年前には前職時代の後輩が定年退職してから当事務所に加わり、彼も資産税関係を得意としています。相続や譲渡は慎重に事を運ばないと顧問先に重い税負担がのしかかってしまいますが、そうした案件も安心して任せられる頼もしい人材です。

 あとは、開業当初からとにかく丁寧にじっくり顧問先に接してきたことも強みになっていると思います。開業したてのとき、困難な相続案件が巡り巡って私のところに来たことがあったのですが、そのクライアントは「以前お世話になっていた会計事務所は規模が大きく、相談の時間をとってもらえなかったり、気を遣って聞きたいことも聞けなかったが、下地さんは何でも親身に聞いてくれるので安心した」と言ってくれました。そして相続案件が終わった後も顧問として引き続き経営をサポートすることになりました。その会社は先代の時代に倒産し、2代目が立て直しに奮闘している真っ最中だったので、いろいろな相談を持ちかけられました。新規事業としてホテルを購入するということで競売に同行したり、その固定資産税について行政との折衝を担当したりもしましたし、長い付き合いです。今でも確定申告の時期には毎年、お土産を持って事務所に挨拶をしに来てくださるので、丁寧なサポートで信頼関係をつくることができた一例だと感じています。

顧問先との信頼関係がしっかりしていることは、紹介や口コミで問い合わせがくる機会につながると思います。そのあたりはいかがですか。

下地 おっしゃる通り、当事務所の顧問先開拓は現在も人づてがほとんどです。つい最近も知人の紹介で来てくれた方がいたのですが、私がこれまで通り「丁寧にじっくり」を心掛けたところ、その方が安心してくれただけでなく、紹介者からも「ありがとう。あの人を君につないでよかった」と言ってもらうことができました。これが税理士としての私の一番の喜びであり、大きなやりがいを感じますね。

これまでの人的ネットワークを生かした外部機関との連携や交流の機会も多いそうですね。

下地 税務署OB、公認会計士や弁護士、金融機関の方などと一緒に、相続や事業承継、その他さまざまな税務処理に関する事例研究会を定期的に開催しています。毎回13名ほど集まり、最新の状況や注意点などを共有しています。

 こうした会を重ねているおかげもあって、日頃のお互いの連携も密なものとなっています。例えば事業承継案件については、しっかりと事業性評価などを行える地域金融機関に顧問先を紹介し、私どもはあくまでも側面支援にまわるようにしています。その他、これまであまり取り扱ったことのない事案が持ち上がったときなども、連携関係にある士業の方々や税理士会にスピーディに連絡するよう心掛けています。もちろん、逆に他の先生から資産税に関する問い合わせなどが入ることもあります。各々が協力し合いながら、数多くの顧問先を支えているのです。

国内外さまざまな土地で学びとリフレッシュの時間を過ごす

ところで、ご趣味の旅行で国内外さまざまな地域に出掛けているそうですね。

「丁寧にじっくり」顧問先と向き合う下地 寛一先生

「丁寧にじっくり」顧問先と向き合う下地 寛一先生

下地 旅行は私のライフワークと言ってもよいくらいです。いきいきと働くためにも、年2回は海外へ出かけてリフレッシュしています。これまでアジア各国やヨーロッパ、アメリカなどさまざまな国を見てきました。還暦祝いで息子がオーストラリアへの2人旅をプレゼントしてくれたこと、妻と2人でスイスの山登りをしたことなど、たくさんの思い出があります。もちろん、国内も北海道から沖縄の離島まで全国各地に出掛けてきました。会議などで出張するときには、なるべく延泊してその地域を自分の目で見て回るようにしています。地域ごとに文化も産業も土地柄も異なるので、実際にいろいろなところに足を運ぶと大いに勉強になります。また、囲碁も昔から趣味としており、東京に行った際には必ず囲碁会場に顔を出しています。

そうした趣味や活動における学びを糧に、日々数多くの顧問先を支えているのですね。最後に今後の展望をお聞かせください。

下地 これからも実直に顧問先一社一社と向き合っていきたいと思います。また、長時間労働の削減など労働環境の整備にもさらに注力していきたいです。他方、ミロク会計人会の活動としては、連合会の広報委員長として、会員をいかに増強し会を活性化させていけるか、皆さんから意見を募り、それを集約して具体的な施策を検討していきたいと思います。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします。

税理士までのあゆみ

 下地先生は1971年、沖縄の本土復帰の直前の年に当時の琉球政府の公務員になり、税務署に配属されました。「いずれ独立して自分の事務所を構えよう」と明確な目的意識を持って業務にあたり、さまざまな分野を経験した他、相続などの複雑な案件を率先して担当するよう心掛けたり、税理士の方からの問い合わせに応えるために根拠法令を詳しく調べたりと、日々努力を重ねたおかげで、同期の誰にも負けないくらい税務の知識を得ることができたといいます。こうした学びを経て独立、開業したのは1995年、45歳のときのこと。事務所は今年で25周年を迎えられました。

下地寛一税理士事務所

所在地
沖縄県那覇市曙3-6-1-2F
TEL
098-860-7811
設立
1995年
職員数
7名

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