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東京会企画

2022年04月号

幅広い年齢層が集う
「十条銀座商店街」の魅力

東京都北区、JR埼京線「十条駅」北口を出てすぐのところにある「十条銀座商店街」。長年にわたって地域住民から親しまれ続けている商店街で、昨年にはその管理運営にあたる「十条銀座商店街振興組合」が第30回農林水産大臣賞(優良経営食料品小売店等表彰事業)を受賞しました。受賞の背景と同商店街の魅力について、同振興組合の石井 博事務局長にお話を伺いました。

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「キタニャン」は公募で選ばれた十条商店街の
公式キャラクター。イベントなどで大活躍

 東京都北区の南側エリアに位置する十条銀座商店街は、品川区の「戸越銀座商店街」、江東区の「砂町銀座商店街」とともに東京の〝三大銀座商店街〟の一つとして知られています。現在は青果、食料品、飲食店、喫茶店、薬局、衣料品、日用品、美容室・理髪店、スーパーマーケット、コンビニ、学習塾など171店舗(2022年2月末時点)が十条銀座商店街振興組合に加盟しており、東京都北区では最大規模の商店街となっています。種類が豊富な総菜などの食料品はもちろん、生活用品が何でも揃うため、高齢者から子育て世代、そして学生さんまで幅広い年齢層のお客様が足を運んでくださり、多くの方が「昭和の雰囲気が残り、人情味がある。物価が安くて、地元感がある」と言ってくださっております。また、昔ながらの個人商店が多く、店舗の奥や2階に居住されている店主も多いため、夜間も無人にならず、治安が良いといった声も頂戴しています。

 無論、皆さんに満足いただけるよう、私たちとしてもさまざまな取り組みを展開してきました。例えば、商店街加盟店では販促活動として昔ながらの台紙にシールを貼る伝統的なスタンプ事業「Jスタンプ」をはじめ、春、ゴールデンウィーク、夏、秋、年末と季節の定番売り出し(セール)と売り出し期間中に行う「チンドンパフォーマンス」「ちびっこ縁日」、子どもたちによる「ハロウィン仮装パレード」などのイベントを開催。また「休憩できる場所がほしい」という要望に応えて、空き店舗を商店街で借り上げ、2020年6月には「お休み処」をオープン、休憩所としての利用はもちろん、販促イベントやセールのお知らせの掲示、さらには音大生などによるミニコンサートなどの会場としても活用しています。

 その他にも、北区役所と連携して区内の「買物難民(不便)地区」への「出張商店街」事業を2020年からスタート。商店がほとんど存在しない北赤羽地区の高齢者住宅の団らん室を会場に、商店街から青果店、眼鏡店など4店舗が出店。利用者からは「米や水のペットボトルなど重くて運べない品物も扱ってほしい」といった要望もあったので、コロナ禍が収束したら、需要に合わせた内容で定期的に開催したいと考えています。また、地域活動としては近隣小学校のPTAと連携し、段ボールのリサイクル事業に協力している他、個々の店舗と連携してフードロスをなくす活動も推進しています。

十条銀座商店街振興組合事務局<br>東京都北区十条仲原1-4-8<br>℡03-3907-3860<br>9:30~18:00(火曜定休)<br>jujo-ginza.com

十条銀座商店街振興組合事務局
東京都北区十条仲原1-4-8
℡03-3907-3860
9:30~18:00(火曜定休)
jujo-ginza.com

平日は1万5000人ほどが来街して買い物、散策を楽しむ。1977年には全蓋型アーケードが設置され、天候に左右されずに買い物が楽しめるようになった

平日は1万5000人ほどが来街して買い物、散策を楽しむ。1977年には全蓋型アーケードが設置され、天候に左右されずに買い物が楽しめるようになった

「お休み処」をはじめ、組合事務局、加盟店でマップ付き十条銀座商店街ガイドを無料配布中

「お休み処」をはじめ、組合事務局、加盟店でマップ付き十条銀座商店街ガイドを無料配布中

2021年2月の農林水産大臣賞授与式に出席した石井博事務局長(右)

2021年2月の農林水産大臣賞授与式に出席した石井博事務局長(右)

 昨年、第30回優良経営食料品小売店等表彰事業の「組合・商店街等共同活動部門」で農林水産大臣賞を受賞できたのは、こうした当商店街の独自のスタイル、活動によるものだと思っています。これからも地域密着型の楽しく便利な商店街として、コミュニティをしっかりと担っていきたいと思います。

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