九州会独自企画
2025年11月号
「100年に一度の変革期」を迎えた
長崎市の今と未来
「100年に一度の変革期」を迎えている長崎市。西九州新幹線や長崎スタジアムシティの開業、駅前の再開発などを通じて、大きく進化を遂げています。そこで、九州会独自企画として「100年に一度の変革期」の背景や概要、そして最新の再開発動向について、長崎市まちづくり部都市計画課と文化観光部観光政策課にお話を伺いました。
「長崎スタジアムシティ」の開業でより人が集うまちに
長崎スタジアムシティの全景
長崎市はもともと観光地として高い知名度を誇り続けていますが、市内の人口は1985年の50万人をピークに減少の一途をたどっており、今では約39万人( 2024年12月時点)にまで減少し、2050年には約28万人になると見込まれています(国立社会保障・人口問題研究所による推計)。
こうした中、西九州新幹線開業に伴い、行政と民間の双方で「交流人口の拡大に取り組もう」という機運が盛り上がり、「100年に一度の変革期」とも言われる再開発が次々と進められています。
代表的なところでは、21年11月に長崎駅西口にイベント・展示ホール・コンベンションホールを擁するMICE施設「出島メッセ長崎」と外資系ホテル「ヒルトン長崎」が駅直結で開業。
また、JR長崎駅改札口前に商業施設「長崎街道かもめ市場」が開業。長崎駅東口には23年11月に商業施設「アミュプラザ長崎新館」、24年1月に外資系ホテル「長崎マリオットホテル」が開業、そして同年10月には長崎駅から徒歩約10分の位置に複合施設「長崎スタジアムシティ」が開業しました。
最もインパクトが大きかったのは長崎スタジアムシティの開業でしょう。この複合施設は(株)ジャパネットホールディングスが「スポーツ・地域創生事業」として、三菱重工業長崎造船所幸町工場跡地(長崎市幸町7―1)に総事業費約1000億円を投じて築き上げたもので、約2万人を収容するサッカースタジアムを中心に、約6000席のアリーナ、ホテル、商業施設、オフィスなどで構成されています。中心となるサッカースタジアムはプロサッカークラブ「Ⅴ・ファーレン長崎」、アリーナはプロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」のホームとして使用されている他、アリーナについてはコンサートや展示会などのイベントにも対応可能となっており、既に多くのイベントが開催されています。
プロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」のホームとなるHAPPINESS ARENA
HAPPINESS ARENAの内観
プロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」のホームとなる
PEACE STADIUM Connected by SoftBank
ホテルの客室からはスタジアムと長崎市街を一望できる
ホテルの客室(スタンダードスタジアムビューキングルーム)
にぎわいに満ちたフードホール
また、JR長崎駅改札口前に商業施設「長崎街道かもめ市場」が開業。長崎駅東口には23年11月に商業施設「アミュプラザ長崎新館」、24年1月に外資系ホテル「長崎マリオットホテル」が開業、そして同年10月には長崎駅から徒歩約10分の位置に複合施設「長崎スタジアムシティ」が開業しました。
最もインパクトが大きかったのは長崎スタジアムシティの開業でしょう。この複合施設は(株)ジャパネットホールディングスが「スポーツ・地域創生事業」として、三菱重工業長崎造船所幸町工場跡地(長崎市幸町7―1)に総事業費約1000億円を投じて築き上げたもので、約2万人を収容するサッカースタジアムを中心に、約6000席のアリーナ、ホテル、商業施設、オフィスなどで構成されています。中心となるサッカースタジアムはプロサッカークラブ「Ⅴ・ファーレン長崎」、アリーナはプロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」のホームとして使用されている他、アリーナについてはコンサートや展示会などのイベントにも対応可能となっており、既に多くのイベントが開催されています。
また、イベントがない日も長崎スタジアムシティには飲食店やスーパーマーケットなど約80の店舗が軒を連ねていることもあり、日常的ににぎわいが創出されています。中でも飲食店のラインアップは充実しており、県内外の名店の他、日本で初めてサッカースタジアムでビールの醸造を行うレストラン「THE STADIUM BREWS NAGASAKI」などもあり、グルメスポットとしても人気を博しています。その他にも、スーパーマーケットで長崎ならではの多彩な食品を物色したり、ホテルのバーから長崎の美しい夜景を一望したり、全天候型のアミューズメント施設で心ゆくまで体を動かしたり、温浴施設でゆっくりとくつろいだりと、丸一日使っても遊び尽くせないほど、充実した施設になっています。
世界新三大夜景に認定された長崎の夜景(稲佐山からの景色)
ハードの整備は終了間際 ソフトの向上にも注力
長崎駅前の再開発や長崎スタジアムシティの開業の効果もあり、昨今、その周辺は大いに活気に満ちていますが、一方でグラバー園、大浦天主堂、長崎新地中華街、眼鏡橋、オランダ坂、長崎孔子廟(こうしびょう)、崇福寺(そうふくじ)などの歴史遺産が点在する「まちなか」の賑わいと活力の創出は喫緊の課題です。
長崎港の景色
そこで、長崎市では市民と連携しながらまちなかの活性化にも尽力。例えば、まちなかにある中通り商店街は江戸中期から続く長崎で最も古い商店街なのですが、最近は新しい店舗が次々と誕生し、新旧のグルメを堪能できる食べ歩きスポットとして注目を集めています。また、長崎のまちなかはとてもコンパクトで、歴史遺産が集中しているので、まち歩き観光「長崎さるく」(さまざまなガイドやまち歩き団体によるまち歩きツアー)にも、さらに注力しながら、長崎駅前や長崎スタジアムシティとの周遊性を高めたいと思います。
周遊性の向上という観点では、バス事業者による取り組みも進んでいます。長崎市はもともと路面電車やバスの路線網が充実していますが、路線が複雑で、観光客の皆様からは「どの路線に乗ればいいか分からない」「乗り換えが難しい」といった声が寄せられることがしばしばあります。そこで、土日祝日に「ながさき観光ルートバス」の運行をスタート。長崎スタジアムシティから長崎原爆資料館や平和公園、眼鏡橋、長崎新地中華街、オランダ坂などに気軽にアクセスできるようになりました。おかげで、最近はスポーツ観戦などで長崎スタジアムシティを訪れた市外の皆様も、長崎各地の観光スポットに足を運びやすくなっています。
大浦天主堂
平和公園
眼鏡橋
大浦天主堂やグラバー園といった観光スポットがある山手エリアも新たな魅力を発信しようとしています。例えば、老朽化のため2007年から使用停止となっていた旧長崎英国領事館(日本最初の外国領事館)は保存修理が完了し、2026年1月30日に開館予定です。また、グラバー園周辺にある洋館(旧マリア園)についても、民間主導で宿泊施設に生まれ変わるなどの動きが進んでいます。
今後は、長崎駅東口多目的広場の整備や松が枝国際観光船埠頭の2バース化の整備が予定されています。松が枝国際観光船埠頭の2バース化が完了すれば、海の玄関口が拡張し、より多くのインバウンドを受け入れられるようになり、長崎観光はさらに活況を呈するようになるでしょう。「100年に一度の変革期」、そのハード面の開発は終盤を迎えていますが、重要なのは数多くの歴史遺産をはじめとした〝本物〟をいかに活かし、市民生活や観光の質の向上につなげられるかです。そのためにも民間事業者とも連携しながら、ソフト施策の充実を図っていきたいと思います。
