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事務所 訪問

2022年04月号

税理士法人 キャッスルロック・パートナーズ 梅田公認会計士事務所 写真

居心地の良い職場環境をベースに
城西地域の顧問先に寄り添ったサービスを提供

城西地域(東京都の新宿区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区)の顧問先を多数抱える税理士法人キャッスルロック・パートナーズ。生まれも育ちも、そして事務所所在地も池尻(東京都世田谷区)という代表社員の梅田 泰宏先生は、どのような思いで 顧問先支援に取り組まれているのでしょうか。早速、事務所を訪問し、そのお仕事ぶりを拝見させていただきました。

司法書士、社会保険労務士と共にワンストップサービスを提供

公認会計士2次試験を突破した後、監査法人に入所されたそうですが、実際に働いてみてどのような印象を受けましたか。

梅田 泰宏代表社員(以下、敬称略) 1977年に2次試験に合格し、監査法人に入所したのですが、監査法人は組織としてのヒエラルキーがしっかりとしていて、自分が裁量を持って仕事に臨めるようになるまでには相当の時間が掛かりそうだなと感じました。その後、1980年に結婚し、このままサラリーマンとして働くか、それとも独立するかで悩み、最終的に税理士登録をして独立することにしたのです。

開業時の様子はどのような感じでしたか。

梅田 ワンルームマンションで開業し、職員も一人だけという状況でした。ただ、幸いなことに監査法人でパートタイム勤務をさせてもらうことができたので、最初のうちは年間100日ほど監査法人の業務をこなしながら、収入のベースにすることができました。税務会計業務に関しても、その監査業務がご縁となって引き受けさせていただくケースが多かったですね。当時は税理士法との兼ね合いで会計事務所の営業が難しい時代でもあったので、こういったご縁はとてもありがたかったですし、それが現在の礎になっていると感じています。

当時を振り返って印象的な出来事などはありますか。

梅田 バブル経済の盛り上がりが印象に残っています。当時は多くの顧問先が新規事業に乗り出し、次々と新たな事業会社を設立していたので、必然的に事務所の顧問先や業務も増えていきました。もっとも、バブル経済の崩壊とともに、そういった事業会社の多くは廃業を余儀なくされてしまいましたが、あの当時の熱気は今も鮮明に覚えています。

ところで、梅田先生は事務所がある池尻(東京都世田谷区)で生まれ育ったそうですね。

梅田 結婚後の住まいも池尻だったので、当時は子どもが小さかったこともあってできるだけ家から近いところで開業したいという思いもあり、池尻に最初の事務所を構えました。以来、2、3回事務所を移転しましたが、変わらずに池尻を拠点にしています。

今の事務所は東急田園都市線の池尻大橋駅から徒歩1分とアクセスが抜群な上に、事務所内が広々として開放的ですね。

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広々としており、ゆったりとレイアウトされたオフィス

梅田 15年ほど前に移転したのですが、最初にこの物件を見た時は正直、広すぎると感じました。そこで、せっかくなら他士業の方々と一緒に借り上げることで、ワンストップサービスを実現できないかと考え、当時、独立を検討していた司法書士の先生と社会保険労務士の先生にお声掛けしてみたのです。すると、先生方もこの発想に興味を示してくださり、ワンフロアオフィスを一緒に借り上げることに。おかげで、現在に至るまで良好な関係のもと、顧問先にワンストップサービスを提供することができています。

具体的にはどのようなシナジー効果があるのでしょうか。

梅田 それぞれの得意分野に関して、気軽に相談したり、依頼を掛けたりできるのが最大のメリットです。例えば、司法書士事務所には相続税などの案件の際に不動産登記の変更などを依頼していますし、社会保険労務士事務所には働き方改革に伴う就業規則の改定などを依頼しています。また、両事務所から当事務所に依頼をいただくこともしばしばあります。

寺院と共に檀家減少などの課題に向き合う

顧問先の所在地は東京都内であることが多いのでしょうか。

梅田 城西地域(東京都の新宿区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区)が圧倒的多数を占めますが、中には東京から他地域に進出したところもあり、一部、京都などにも顧問先を抱えています。そういった遠方の顧問先とはZoomなどのウェブ会議ツールやMJSのiCompassを活用しやりとりしています。

業種などの傾向はありますか。

梅田 サービス業を主体としてさまざまな業種を担当していますが、変わったところで言いますと、他事務所と比べて寺院の顧問先が多いかもしれません。最初は知り合いの弁護士の先生からの紹介で引き受けたのですが、そのうちご住職が新規の寺院を紹介してくださるようになり、今では20弱の寺院と顧問契約を結んでいます。

寺院は今、どのような課題を抱えているのでしょうか。

梅田 やはり檀家の減少が最大の課題で、お布施などの収入が年々目減りしています。多くの寺院が土地の一部をマンションや家屋、駐車場などに貸して収入を得ていますが、それだけでは心許ない状況になりつつあるので、新たな事業を模索する必要があります。

どのような事業が考えられるのでしょうか。

梅田 神社の御朱印集めがブームになっているように、最近、あらためて神社仏閣などをパワースポットとして見直す向きがあります。そういったトレンドを活用しながら、檀家に限らず、より多くの人たちの心のよりどころとしての役割を担い、イベントなどと結び付けていくことが肝要だと思います。

顧問先に寄り添うことで過当競争の波を乗り切る

昨今のコロナ禍の影響についてはいかがでしょうか。

梅田 小規模な飲食店は東京都の協力金などのおかげでひとまず事なきを得ていますが、大規模なところはそれだけでは家賃などの赤字を補填することができず、厳しい状況に立たされています。また、イベント関連の会社もコロナ禍でイベントが相次いで中止・延期となったり、来場人数が制限されたりといったことが続き、深刻な状況にあります。とにかくコロナ禍には一刻も早く収束してもらいたいですね。

そういった中でも、事務所は明るい雰囲気に包まれていますね。

梅田 開業以来、和気あいあいとした雰囲気が自慢で、そのおかげか離職率が低く、20年来勤続してくれている職員も多数います。中には一度は子育てなどで退職したものの、育児がひと段落してから戻ってきてくれた職員もいます。私が進捗や月次のチェックをしっかりと行うことを前提に、業務の裁量を各自に委ねていることが働きやすさや居心地の良さにつながっているのかもしれません。もちろん、職員も全力でその期待に応えてくれています。

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顧問先に寄り添い、経営支援を行っている梅田 泰宏先生

開業40周年が間近とのことですが、事務所経営について思うところはありますか。

梅田 ありがたいことに、今も毎年10件ずつくらいのペースで顧問先は増えています。ただ、その一方で業界内での過当競争が激しくなっているので、これからは「いかに顧問先に寄り添うか」といった視点がますます重要になるのではないでしょうか。当事務所では顧問先にコロナ禍に関する補助金などの情報を積極的に発信してきましたが、引き続きそういった地道な取り組みを大切にしていきたいと考えています。また、経営革新等支援機関にも登録されているので、補助金や事業再生などの相談にも柔軟に対応し、広く地域の困りごとに向き合っていきたいと思います。

今後の展望についてお聞かせください。

梅田 そろそろ私も70歳に手が届く年になってきたので、2名の税理士試験合格者を中心に新しい体制づくりを進めていきたいと考えています。また、職員も20名弱とそれなりの規模になってきたので、組織力を活かした業務のあり方も模索していかなければなりません。例えば、当事務所では現在、一つの顧問先を一人の職員が担当するような業務体制になっていますが、一つの顧問先を複数の職員で担当することにより、これまで以上に精度が高い税務会計業務やアドバイスができるようにしていきたいと考えているところです。同時に職員一人ひとりのレベルアップにも努め、分析力や提案力の向上を図っていきたいですね。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします。

税理士・会計士までのあゆみ

高校3年生の時に友人が弁護士を目指して法学部に進学しようとしていたことに刺激を受け、将来のことを考えるようになったという梅田先生。高校時代は生物などの科目が好きだったそうですが、実家が酒販店を営んでいたことから「いずれは両親を支えられるような仕事を」と考え、公認会計士の資格に着目し、中央大学商学部への進学を決意したそうです。そして、大学3年生の頃から本格的に試験勉強を始め、1977年、先生が23歳の時に公認会計士2次試験に合格。その後、監査法人を経て(3次試験にも合格)、83年に税理士登録を行い、ワンルームマンションの一室で独立を果たしたといいます。

税理士法人 キャッスルロック・パートナーズ 梅田公認会計士事務所

所在地
東京都世田谷区池尻2-31-24 信田ビル6F
TEL
03-3413-0011
設立
1982年
職員数
18名
URL
http://www.ume-office.com

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