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北海道会
独自企画①

2023年02月号

IBURI×WORKATION
―いぶりクロスワーケーション―の取り組み

北海道の南西部、太平洋に面した胆振地域の4市(室蘭、苫小牧、登別、伊達)7町(豊浦、壮瞥、白老、厚真、洞爺湖、安平、むかわ)はワーケーションに力を入れています。北海道ならではの自然環境を舞台に、それぞれのエリアの魅力を活かしたワーケーションの現状や特徴、そして誘致に向けた取り組みについて、北海道胆振総合振興局地域創生部地域政策課地域振興係の大内 忠典氏に紹介していただきます。

 新型コロナウイルス感染症の拡大で生活のあり方が大きく変化して以降、テレワークやフレックスタイム、ワーケーションといった多様な働き方が全国的に広がりました。こうした中、胆振総合振興局では、気候が良く温泉やアクティビティなどの観光資源が豊富な胆振エリア(4市7町)でのワーケーション誘致に注力しています。

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※ワーケーションとは…Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語です。テレワークなどを活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ、自分の時間も過ごすことを指します。

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登別市にできた日本工学院北海道専門学校サテライトオフィス「日本工学院北海道専門学校en」のコワーキングスペース。デザインや観光、ITなどを学ぶ学生たちにとって企業との交流が刺激になることも期待されている

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室蘭市の工場の夜景

 中でも鉄鋼の町として発展してきた歴史を持ち、室蘭工業大学もある室蘭市には、ワーケーション誘致のかいあって超音波溶着機の製造などを主軸とする精電舎電子工業(本社:東京)、IT企業のビックボイス(同)といった企業が次々と進出しています。また、市は2020年8月、室蘭テクノセンター内に「サテライトオフィス室蘭」を開設し、その利用促進を図るためサテライトオフィスのモニター事業を開始、21~22年度の2カ年で室蘭市でのテレワークによるビジネス展開の検証等に対して交通費や宿泊費等を支援する補助を行いました。その結果、道内外から30社以上が利用するなど一定の成果を挙げています。なかには、ある企業の採用担当者がご当地グルメを食べながらリモートで採用面接を行い、「自由な働き方ができる会社」であることをPRする、といったユニークな事例もありました。

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 一方、洞爺湖町は温泉や飲食店などが多数集まる観光地としての強みを活かしたワーケーション誘致を進めています。ホテルなどが独自のワークスペースを整備しており、ワーケーションに訪れた人たちは仕事の傍ら、活火山である有珠山の自然ガイドや乗馬などのアクティビティを体験したり、ホタテの養殖場を見学することができます。こうした体験が個人での利用者に人気が高いのはもちろん、企業・団体単位での利用も活発です。業種としてはIT関係やデザイン関係などが多く、特に自然環境からインスピレーションが得られるデザインなどの職種に最適な環境と評判です。

 ここ1年間だけでも「THINK M」(室蘭市)、「オートリゾート苫小牧アルテン」(苫小牧市)、「日本工学院北海道専門学校サテライトオフィス en」(登別市)、「新町シェアサテライトオフィス」(厚真町)、「ムービングハウス」(厚真町)、「おためしサテライトオフィス」(安平町)、「ponLab」(洞爺湖町)と多数のワーケーション拠点が生まれているので、北海道胆振総合振興局としても今後、この地域のワーケーション適地としての魅力をより一層アピールしていきたいと思います。

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胆振総合振興局HP●https://www.iburi.pref.hokkaido.lg.jp/

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