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事務所 訪問

2023年02月号

税理士法人北海道みらい 写真

3つの拠点で多様なニーズに対応
「北海道の明るい未来」を切り拓く!!

北海道旭川市を拠点に札幌市と北見市にも拠点を構える税理士法人北海道みらいは、税務会計はもちろん、 経営コンサルティングや相続・贈与、事業承継のサポートなど幅広いサービスを展開しています。同法人を牽引する代表社員の 園田 直之先生と大久保 昌宣先生、そしてオホーツク事務所所長の江澤 昭先生に昨今の取り組みについて伺いました。

M&Aの仲介・支援業務で事業承継などをサポート

貴事務所には本誌2014年10月号の取材で訪問させていただきましたが、2017年に法人名を変更されたそうですね。まずはその経緯からお聞かせ願えますか。

園田 直之代表社員(以下、敬称略) 当法人はもともと「税理士法人橋本会計」という名称でしたが、先代の橋本 宗敏先生が逝去されたこと、「北海道の明るい未来」を切り拓こうと努力を続ける経営者の方々の「想い」に触れ、志を一つにしたいと強く考えるようになったことが重なり、現在の「税理士法人北海道みらい」という名称に変更しました。

ホームページに掲げられているミッションなどもその時に策定したのでしょうか。

大久保 昌宣代表社員(以下、敬称略) そうです。「きめ細やかな感性と洞察力を磨く」というミッションと「職業的専門家として英知を集め、お客様と共に『みらい』を創造する」というビジョン、そして「知識に溺れることなく、知恵をもってお客様の問題を解決する」というバリューを設けました。現在はこのミッション、ビジョン、バリューに基づき、税務会計だけでなく、経営コンサルティングや相続・贈与、事業承継のサポートなどにも全力を投じています。

事業承継ではM&Aを軸にしたサポートを展開しているそうですね。

大久保 事業承継はもちろん、成長を加速させるためのM&Aなど多様な案件の仲介と支援を手掛けています。2017年度には仲介実績の高さなどが評価され、事業承継支援業者からMVPをいただきました。また、最近はさまざまな地域から相談が舞い込むようになりましたが、M&Aに関しては経営者との信頼関係の下、経営者やその会社の特色にマッチした相手を仲介し、責任を持ってデューデリジェンスなどの実務を担うことが肝要です。そのため、顧問先同士のM&Aの方が双方と密な付き合いがある分、スムーズかつ的確に事を運ぶことができているように思います。

今やM&Aは一般的なビジネス手法になっているのですね。

大久保 地方においてはやはり事業承継を目的としたM&Aの需要があります。その時にポイントになるのは、経営者がハッピーリタイヤできるような道筋を描き、それをきっちり遂行していくことです。例えば、経営者には会社を売却した後も1~2年程度は相談役として会社に残ってもらえるようにし、気持ちよくリタイヤできるようなプランを用意することが重要です。また、買い手が顧問先の場合はM&A後のPMI(Post Merger Integration:経営統合プロセス)にも注力するようにしています。

旭川の他、オホーツク事務所(北見市)や札幌支社(札幌市)にも拠点を展開されているそうですね。オホーツク事務所を取り仕切っている江澤先生はどのようなご縁で北海道みらいに参画したのですか。

江澤 昭先生(以下、敬称略) もともとは札幌の会計事務所で勤務していたのですが、6年ほど前にMJSの社員の方に紹介いただき、入所することになりました。

北見の景況感はどうでしょうか。

江澤 基幹産業の農業は主要作物のタマネギを中心に好調です。また、当地では農機具販売業者や農業者からの紹介で、順調に顧問先が増えています。ただ、昨今の円安・物価高によるガソリン代や飼料代の高騰が長引くと、利益もその分だけ目減りしてしまうので、何とか早いうちにこうした外部要因が解消することを願っています。

札幌支社はどのような経緯で設立したのですか。

大久保 当法人の税理士が旭川から札幌に移り住むことになったのを機に設立することにしました。もともと札幌にも顧問先はいましたが、ありがたいことに既存の顧問先からの紹介で、現地の顧問先も着実に増えています。

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1階が応接スペース、2階が事務スペース、3階が研修スペースとなっており、全体的に開放的で高級感のある雰囲気になっています

RPAなどを活用した働き方改革を推進中

税理士法人北海道みらいに改称するにあたって、組織体制や業務体制などにも変化を加えたのでしょうか。橋本会計の頃は大久保先生と園田先生がそれぞれの職員と顧問先を抱え、給与体系も別々にしていたかと思いますが。

大久保 顧問先は基本的に同様の体制で担当していますが、人事労務面については少しずつ融和を図っています。例えば残業に関しては、北海道みらい全体で原則なしとし、繁忙期もできる限り定時での帰宅を推奨しています。もっとも、当初はなかなか浸透しなかったので、残業を申請制にしたり、残業の多さがボーナスの査定に影響するような仕組みを導入したりすることで、定時退社が当たり前という雰囲気を醸成していきました。

園田 最近は「自分の時間を大切にしたい」という人たちも増えていますし、こうした働き方改革は時流にマッチした取り組みだと自負しています。地方では人手不足がますます深刻になっているので、今後は情報発信にも取り組み、採用などにもつなげていきたいですね。

残業をなくす上では生産性を向上させる必要があったかと思いますが、そのあたりについてはどうでしたか。

大久保 RPA(Robotic Process Automation)の導入にも取り組んでいます。これは人間がパソコンなどでしていた作業をAIやプログラミングなどを活用して代行してもらう仕組みのことです。当法人では地元の高等専門学校と共同でRPAのソフトウェア開発に取り組んでおり、自分たちでもそのノウハウを最大限に活用しています。これによって今ではExcelの売掛金一覧表から自動で仕訳入力をしたり、複数のPDFファイルを一つにまとめたり、大量のフォルダを自動で素早く作成したりといったことが可能になり、生産性を大幅に向上することができました。もちろん、これらのノウハウやツールは顧問先にも推奨しており、好評を得ています。

幅広いネットワーク活動で事務所全体のレベルが向上

コロナ禍の影響はいかがでしょうか。

園田 旭川周辺に関しては、建設業に不況の影が忍び寄っており、飲食業などにもその影響が波及してきています。2022年はマンションや住宅の建築ラッシュがあったので何とかなりましたが、今年はそのあたりも減少しそうなので、早い段階で打開策を講じる必要がありそうです。

大久保 顧問先の中には北海道だけでなく、本州や海外でも活躍している方もいます。そういった方々の取り組みを参考にさせていただきながら、他の顧問先の皆さんにも新規事業の開発や市場の開拓を促していきたいと考えています。

実に多様な取り組みを実践されていますが、職員の皆さんの教育についてはいかがでしょうか。

大久保 事業承継の研究会で出会った京都大学の先生の紹介で、私を含め、当法人の数名の職員が京都大学上級経営会計専門家(EMBA)のプログラムを受講するなどしています。税務会計の知見で企業を多角的にサポートするという趣旨に基づいたプログラムとなっており、高度な知見を身につけられた他、全国各地の受講者と今も勉強会を開催するなどの交流が続いています。今後もこういった機会を活用し、事務所全体のレベルアップを図っていきたいと思います。

交流というところでは、異業種ネットワークによる活動にも精力的に取り組んでいるそうですね。

大久保 当法人の税理士や社会保険労務士、そして外部の弁護士や司法書士、不動産コンサルタント、ファイナンシャルプランナーなどと結成したプロネットワークという団体で、2012年から月に1回、一般の方々を対象にした無料相談会を実施しており、これまでに110回以上開催してきました。まさに継続は力なりで、地域の皆さんに私たちのことを知っていただく良い機会になっていると感じています。

今後の目標についてお聞かせください。

園田 事務所名に「北海道」と冠したからには、旭川を軸に全道をカバーできる体制を構築したいですね。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします。

税理士までのあゆみ

園田 直之先生

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 税理士を目指す前は一般企業に勤めていたという園田先生。その会社でお世話になっていた税理士の先生から税理士試験を勧められ、挑戦してみることにしたそうです。以来、会社勤めを続けながら勉強に励み、2004年に試験に合格し、税理士登録を果たしました。そして、税理士になることを勧めてくれた先生の紹介で、橋本宗敏税理士事務所で勤務し始めることになったそうです。

大久保 昌宣先生

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 大久保先生は大学生の頃に北海道拓殖銀行の倒産などを目の当たりにし、「これからは手に職を付けた方がいい」と感じ、税理士を目指すようになったといいます。そして、専門学校に1年半通った後に会計事務所で働くようになり、2005年に税理士試験に合格、税理士登録を果たしました。その後、2012年に開業し、園田先生からの誘いで税理士法人橋本会計(現在の税理士法人北海道みらい)に合流しました。

江澤 昭先生

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 江澤先生は埼玉県の生まれで、父上は地元の印刷会社を経営していたそうです。そのため、一時はそこで勤務していましたが、その後、奥様の実家がある室蘭市に移り住むことに。それからしばらくして札幌市の会計事務所で働きながら2015年に税理士資格を取得。そのタイミングでMJSの社員の勧めを受けて、北海道みらいに参画することになったといいます。

税理士法人北海道みらい

所在地
北海道旭川市3条通16丁目468番地2 ウィルプレイス
TEL
0166-26-2716
設立
2013年
職員数
21名
URL
https://hokkaido-mirai.jp/

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