CHANNEL WEB

中部会
独自企画①

2023年03月号

飛騨高山が誇る
酒蔵を訪ねよう!

「寒い地には良酒あり」――。この言葉通り、岐阜県北部の飛騨地方にある高山市では古くから良質かつ独特の風合いに満ちた日本酒が醸されてきました。そこで、高山の酒造りの歴史と背景、現存する7軒の造り酒屋の特徴と酒蔵関連イベントについて、(一社)飛騨・高山観光コンベンション協会にご紹介していただきました。

自然・文化が育てた高山ならではの酒

202303_tanikai01_chubu_01

 高山市の観光業界も例に漏れず、コロナ禍によって大きな痛手を受けました。2023年に入って国内のお客様とともに外国人旅行者(インバウンド)も回復の兆しを見せてはいますが、まだまだコロナ禍前の状況にはほど遠い状況です。

 しかし、高山には国内外の皆さんを魅了する情緒に満ちた町並みとともに日本酒という素晴らしい地域資源があります。その歴史は古く、330年ほど前には56軒もの酒蔵があったと言われています。江戸時代中期、この地は徳川幕府の直轄地となり、江戸から派遣された代官・郡代が統治にあたっていました。そして「旦那衆」と呼ばれる高山の豪商や一部の商人は周辺の農村地帯から納められる年貢米を利用して酒造りに励んでいました。どうやら米の市場価値が高い時にはそのまま販売し、安い時には酒にして販売していたようです。今も100年以上の歴史を持つ酒蔵が7軒現存していますが、3000m級の山々が連なる飛騨山脈からの豊かな伏流水と、冬期には零下10℃以下になる厳寒な気候が酒造りに適しているのだと思います。

202303_tanikai01_chubu_02

「飛騨高山・酒蔵のん兵衛まつり」のロゴ

伝統、食文化、風習が色濃く表れる高山の酒

 現代の温度管理設備が整った酒蔵では一年中酒造りを手掛ける「四季醸造」が主流ですが、高山では今も昔ながらの「寒仕込み」「寒造り」が一般的です。高山の酒蔵のほとんどが一年で最も気温の低い12月から3月初旬までの冬場に酒を仕込みます。その理由は原料の酒米が秋に収穫されること、そして日本酒の仕込みの際、低温下の方が雑菌の繁殖を抑えられ、もろみがゆっくり時間をかけて発酵できるためだとされています。

 もちろん、仕上がる酒には高山独特の伝統文化、食文化が色濃く表れています。当地で日常的に食されている赤カブ、大根、白菜などの酸味、塩味が強い漬物や砂糖をほとんど使わない伝統料理などの食文化にマッチした味、香りの酒が重宝され続けているのもそのためです。また、今でも祝儀などとして互いに酒を贈り合うことが文化風習として色濃く残っています。

 こうした高山の酒の魅力を広めるために、当協会では高山市の冬の観光を代表するイベントとして「酒蔵めぐり (冬の酒蔵公開)」を1975年から続けており、2020年に「飛騨高山・酒蔵のん兵衛まつり」と改称・リニューアルし、参加する酒蔵のそれぞれの酒を飲み比べたり、自分の好みの酒を探したりといったイベントを行っています。高山の7軒の造り酒屋(1軒は小売部)は、全てが江戸時代の商人町、上一之町・上二之町・上三之町の徒歩5~10分圏内に位置しており、酒蔵をまわるには非常に便利。これほどの数の酒造が小さなエリアに立地しているのは、全国的にも珍しいと言われています。次回で4回目となる「飛騨高山・酒蔵のん兵衛まつり」は昨年同様6~7月に開催予定。詳細は後日、ホームページなどでご案内させていただきますので、皆様、お誘い合わせの上、お出かけください。

DATE

▲ ページトップ