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北海道会企画

2018年05月号

新鮮な食材が魅力の「札幌の食」

農業、酪農、漁業の全てが盛んな北海道は、まさに食材の宝庫。中心都市の札幌には、各地から新鮮な食材が集まり、おいしい料理を気軽に楽しめる飲食店がたくさんあります。 今回は数ある札幌グルメの中でも、特に観光客に人気の「ジンギスカン」「サッポロビール」「札幌ラーメン」「スープカレー」の魅力を紹介します。 監修:観光・MICE推進部観光・MICE推進課

熱々の「ジンギスカン」と「サッポロビール」で至福の時間を

札幌のご当地料理と言えば、まず思い浮かぶのが「ジンギスカン」ではないでしょうか。中央が山のように盛り上がった専用の鍋で、野菜と羊肉を一緒に焼いていただく料理です。札幌市民は専門店で味わうのはもちろん、自宅の他、花見やキャンプでバーベキューのように楽しむことも多く、専用の鍋を持っている家庭も少なくありません。さらに市内のホームセンターではアルミ製の使い捨てジンギスカン鍋が販売されているほどで、まさに札幌市民が愛してやまないソウルフードです。

羊肉は大きく分類すると、やわらかくてクセの少ない仔羊(生後1年未満)の「ラム」と、羊本来の味わいが特徴の成羊(生後1年以上)の「マトン」の2種類です。ニュージーランドやオーストラリアが有名な産地ですが、希少な北海道産サフォーク種を提供している店もあります。

また、タレに漬け込んだ「味付け肉」と、焼いてからタレに絡めて食べる「後付け肉」があり、リンゴを加えてまろやかな味わいにしたり、独自にスパイスを調合して豊かな風味に仕上げたり、店ごとにタレの味が異なり、肉の切り方も工夫しています。シメにも各店の個性が現れ、「うどんやラーメンを入れて煮込む」「残ったタレにお茶を加えて飲む」など、さまざまな楽しみ方があるのも面白い点です。ぜひ好みのジンギスカンを求めて、いろんな店を食べ歩いてみてください。

そしてジンギスカンに欠かせないのが、やはり「ビール」。札幌のビールの歴史は古く、1876年に明治政府によって開設された開拓使麦酒醸造所(サッポロビールの前身)に始まります。ちなみに、サッポロビールの缶や瓶に使われている星のマークは、開拓使が旗や建物に描いた「五稜星」がルーツ。観光スポットとして有名な「札幌市時計台」や「北海道庁旧本庁舎」(通称、赤れんが庁舎)にも使われているので訪れた際には探してみてください。

そんなサッポロビールの歴史を学ぶのにもってこいなのが、2016年4月に全面リニューアルされた「サッポロビール博物館」です。無料の自由見学の他、創業当時の味を再現した「復刻札幌製麦酒」が飲める特典つきの有料プレミアムツアーも実施されていて、先人たちがビール造りにかけた情熱に触れると、一層ビールがおいしく感じられるはずです。隣接するレンガ造りの「サッポロビール園」は、かつて製糖工場や製麦工場だった建物で、現在はできたての生ビールをジンギスカンと一緒に味わえるビアホールとして生まれ変わっています。生ビールをよりおいしくするために、「スウィング式カラン」という特製サーバーが採用されており、ここでしか味わえない限定ビールもあります。

また、市の中心部にある大通公園では、毎年「さっぽろ夏まつり」の一環として、約1万3000席を誇る巨大ビアガーデンが登場します。国内の有名ビールメーカーごとに区分けされた会場で、北海道の旬なグルメも味わえる真夏の饗宴を堪能いただけます。カラッと晴れた空の下で飲むビールは格別です。

札幌は「みそラーメン」発祥の地名店揃いのラーメン横丁も人気

いまや誰もが知る「札幌ラーメン」と言えば、スープはみそ味、麺は中太ちぢれ麺、トッピングはもやしとタマネギというのが定番です。実は、この「みそ味のラーメン」は札幌が発祥で、老舗ラーメン店「味の三平」の初代店主・大宮守人氏がスープを考案し、西山製麺の創業者・西山孝之氏がつるりとした喉越しの多加水熟成麺を開発したことで、1958年に誕生しました。近年は定番のみそに加え、醤油や塩、さらに甲殻類を使ったスープまで登場し、札幌ラーメンの味わいは進化中。ぜひお気に入りの一杯を見つけてください。

すすきのにある「元祖さっぽろラーメン横丁」は、札幌の味「みそラーメン」にこだわる17店舗が軒を連ねます。ビルに挟まれた42mの通りは、昼夜問わず観光客でにぎわい、深夜になるとお酒が入った地元客がシメの一杯をすすりに足を運びます。昔ながらの素朴なみそラーメンから具材に趣向を凝らしたものまで、店ごとの個性あふれるメニューの数々に目移りすること必至です。海外からの観光客に人気があるのは「辛みそ」や「みそチャーシュー」で、「札幌を訪れるたびに立ち寄る」という人も多いそうです。毎年11月11日(12時~24時)には、全店で「ラーメン半額イベント」が開催されます。

サラッとした口当たりと大きな具が特徴の「スープカレー」

「スープカレー」が誕生したのは、1970年頃。一説によると、インドネシアやスリランカの汁気の多いカレーの他、中国の薬膳スープをヒントにして誕生したそうです。その特徴は、スパイスをたっぷり加えたサラリとした口当たりのスープと、崩れるほどやわらかく煮込んだ鶏のもも肉、大きめに切った素揚げ野菜。別盛りのライスをスプーンに取り、スープに浸すようにして食べるのがスタンダードな食べ方です。もともとカレー店や喫茶店で出されていたメニューが評判になり、現在はご当地メニューと言われるまでに提供店が増えました。激辛メニューがある店など、サービス内容は個性的。初めての店で辛さに迷ったら、控えめから始めるのが安全です。有名店のレトルト商品が空港などで売られているので、お土産にもおすすめです。

札幌観光協会のサイトには、「札幌らっきょ」「スープカレーGARAKU」「マジックスパイス」「ピカンティ」など、スープカレー専門店の情報が載っていますので、ぜひご覧ください。

※この記事は、札幌観光協会が運営するサイト「ようこそさっぽろ」(http://www.sapporo.travel/)に掲載されている内容を元に、編集部で作成しました。

札幌市民のソウルフード、ジンギスカン

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2016年に全面リニューアルされたサッポロビール

2016年に全面リニューアルされたサッポロビール

サッポロビールの象徴は「五稜星」を模した星のマーク

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市内観光名所の一つ、元祖さっぽろラーメン横丁

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寒い夜も身体を温めてくれる札幌ラーメン

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独特の進化を遂げるスープカレー

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