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事務所 訪問

2018年05月号

税理士法人北辰会計 写真

業務効率化や体制強化を通じて
次代に求められ続ける事務所を目指す

 JR札幌駅から程近い、アクセスの良い立地に拠点を構える税理士法人北辰会計は、 設立からまもなく13年を迎える事務所です。社員税理士である佐藤 俊隆先生は、法人の次世代を担う存在として 期待されています。今回は佐藤先生に、現状の取り組みや今後の展望などを伺いました。

事務所の顔"としての自覚を持ち対外的な活動も積極的に行う

最初に、税理士法人北辰会計様の成り立ちをお聞かせください。

佐藤 俊隆先生(以下、敬称略) 当事務所は、2005年に札幌市内の会計事務所から独立する形で設立されました。今もご活躍の池尻 正先生と、残念ながら昨年お亡くなりになった五十嵐 義勝先生が共同で事務所を立ち上げ、私は独立前の事務所から一緒に当事務所に移ってきました。そのとき私は職員でしたが、12年に税理士資格を取得し翌年に登録しました。五十嵐先生がお亡くなりになられ、現在事務所では池尻先生と私が対等の立場をとっており、ゆくゆくは私が代表に就く予定になっています。

次の代表を継ぐにあたり、心がけていらっしゃることはございますか。

佐藤 "事務所の顔"となるべく、最近は対外的な活動を意識していますね。例えば税理士会の役員を務めたり、あとはMJSのユーザー会であるミロク会計人会にも入会し、人的ネットワークの拡大や他事務所の取り組みを知るなど、精力的に活動しています。

素晴らしいお心がけですね。なお、法人名の由来は何でしょうか。

佐藤 実は、響きが良かったという理由で近隣にある中学校からとりました。ただ、論語にもこの言葉があり※、北極星という意味です。そのほうが格好は良いので、対外的に質問されたときはそう答えるようにしています(笑)。

顧問先で特に多い業種、また地域の景況感などはいかがですか。

佐藤 札幌市内の顧問先がほとんどで、業種には特に偏りはないです。ただ、個人を含め不動産を所有している顧問先が比較的多いです。市内の不動産市況はまちまちで、全体的には停滞していますが一部地価が高騰している人気の住宅街などもあります。また、近年は外国人観光客の増加で、観光関連産業の企業は恩恵を受けているようです。札幌の繁華街の一つ、狸小路商店街でお土産物屋を営む顧問先がありますが、免税制度を大いに活用して好業績を上げています。

一体感を重視する方針が安定したサービス提供を実現

事務所の特徴をお教えください。

佐藤 男性職員が5名いますが、全員経験が長いのが一つの特徴です。一人ひとりがしっかりと数多くの顧問先を担当し、安定したサービスを提供できていると思います。長く働いてくれている理由の一つとして、当事務所では"繋がり"を大事にしていることが挙げられます。といってもそんな大それたことをしているわけではなく、12月、3月、5月など繁忙期にめどが立ったとき、あと皆資格取得を目指して毎年試験を受けているのでそれが終わったとき、他にも法人の設立が9月なので創業記念のときなど、ことあるごとに全員で食事会を開催しています。改めて考えると、2カ月に1回ほどの頻度で行っていますね。そのような場で仕事やプライベートについて互いに話すことで、一体感はより強くなっていると感じています。

最近、顧問先からはどのような相談が増えていますか。

佐藤 やはり相続に関する相談が多くなってきました。先ほども述べたように、不動産を所有している方が多いので、それをどうお子さんなどに相続すればよいかといった相談を受けます。当事務所では税理士2名、職員1名が税理士試験の相続税法に合格していますので、受け入れ体制としては充実しているほうだと思います。  相続の相談を含め、案件のほとんどは紹介がきっかけで、今のところはそれで十分事務所として成り立っています。ただ、私が代表に就くときには、公式ホームページを立ち上げたいと考えています。やはり事務所の看板になりますし、新規の方が紹介を受けたとき、最初に事務所の様子を確認する大事な接点にもなります。また、最近は求人においてもホームページを持っているほうが有利といった話も聞きますので、具体的に検討を始めているところです。

顧問先と接する際に、先生が心がけていらっしゃることはございますか。

佐藤 われわれ職業会計人の仕事はクライアントへさまざまな情報を提供することが基本です。しかし私はあえて"聞く"ことを心がけています。それは仕事の話ばかりではなく、プライベートな相談などに関しても、しっかりと耳を傾けるようにしています。話を聞いてアドバイスをするといった大層なことではありません。お話しされている方は考えがまとまっていないことが多く、それをこちらが拝聴していると、次第に状況を整理され、最終的にはご自身で解決策を見出されるのです。私は話を聞くことでそのお手伝いをしているといったスタンスです。地道ですが、そういった積み重ねが顧問先との信頼関係の醸成につながっていくのではないかと考えています。

写真1

必要に応じて会話が飛び交う一体感のある職場

写真2

次代に向けて、体制強化など準備を進める佐藤 俊隆先生

業務効率化を推進しより付加価値のある業務に注力

今後の課題として捉えていることをお教えください。

佐藤 札幌は3大都市圏と比較すると経済圏は大きくなく、その中で会計事務所は相当数あり、かつ大手税理士法人が新たに進出してくるといった噂もあるので、当事務所も現状のままではいけないと考えています。そのためにまず着手したいのが、業務の効率化です。東京の事務所では既に、記帳代行の価格競争が非常に激しくなっているといった話を聞きます。北海道はまだそこまでの状況ではないですが、今のうちから手を打ち、コモディティー化する業務はなるべく速やかに仕上げ、より付加価値の高い資産税関連の業務などに集中できる体制を築いていきたいと考えています。今年の年末調整の際、MJSの給与データ自動取込機能をフル活用したところ、非常に効率的に仕事を進めることができました。今後は事務所内で推進し、全体的に生産性を高めていこうと思います。  また、最近入会した北海道ミロク会計人会では、地区会別にMJS各種システムの導入率を調べ、それをもとに地区会ごとにシステム研修のテーマを設定し、実際に当該システムを積極的に活用している会員を講師にして、研修を行っているようです。さらに今年度は業務効率化をテーマに、MJSのデータの自動取込機能の活用方法や、「ACELINK NX-Pro」の事務所管理システムの活用方法、他社連動機能の活用方法などを共有する研修が行われるそうなので、そういった機会からも事務所の生産性向上につながるノウハウを吸収していきたいです。さらに、中長期的な視野に立ち、ITリテラシーの高い若手人材も確保し、事務所の体制強化を図ることも重要です。そうやって常に進化を続け、次代にも地域から求められ続ける存在を目指していきたいと思います。

本日はありがとうございました。ますますのご発展をお祈りいたします。

税理士までのあゆみ

佐藤 俊隆先生はもともと数学などの理系科目が得意で、大学受験に際し、「2次試験で英語がないところ」を理由に、帯広畜産大学へ進学したそうです。しかし生物に関わる仕事よりも、得意だった計算を生かした仕事に興味を持ち、そんなときに書店で資格の本を読み税理士という仕事を知ったといいます。そこで進路を変え、札幌の専門学校で学んだ後、市内の会計事務所に勤務。そして北辰会計立ち上げの際に移動し、職員として働きながら勉強を続け、2012年に念願の資格を取得、翌年に登録を果たされました。

税理士法人北辰会計

所在地
北海道札幌市北区北十七条西4-1-1
TEL
011-758-2222
FAX
011-758-2211
設立
2005年
職員数
11名

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