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新里和也税理士事務所 写真

事務所訪問

「まちの経営サポーター」として
事業者の経理の仕組み化を支援

沖縄県那覇市に隣接する浦添市の中でも、経塚地区はここ数年で開発が進み 人口・事業者ともに増加している活気ある町です。この地域に事務所を構える 新里和也所長は、「まちの経営サポーター」として沖縄本島中南部の中小事業者の 税務と経営を支え、前職のシステムエンジニアの経験と知見を活かしながら 顧問先の経理の仕組み化やDX支援にも注力されています。

システム会社と複数の事務所での多彩な経験

新里先生は以前、システムエンジニアとして働かれていたそうですね。税理士を目指すことになった経緯からお聞かせください。

経営課題を見える化し、仕組み化、マニュアル作りを
支援していると語る新里先生

新里 和也所長(以下、敬称略) 大学卒業後に入社したシステム会社で経理システムのパッケージ開発に携わり、顧客企業に常駐してシステムの導入サポートも行いました。その中で顧客企業の顧問税理士が企業内で意思決定に重要な役割を果たしていることを見たり、自ら簿記を学んだりすることで徐々に経理や税務への理解を深めていきました。入社3年目に体調を崩し、システム会社を退職後、友人から「いっそ税理士を目指してはどうか」と言われたのを機に、新たな道を歩むことに決めたのです。
 その後、故郷の沖縄に帰って那覇市内の専門学校で勉学に励みつつ、開業までの間に3軒の会計事務所に勤めました。特に2軒目の事務所には十数年間にわたって籍を置き、ちょうど2000年代に入って那覇が建設ラッシュに沸き返る中、多くの建設事業者の税務に携わりました。また、3軒目の事務所では日々、所長から法解釈のあり方をイチから学ばせてもらった他、あるNPO法人の担当を任されました。このように複数の事務所を渡り歩いたおかげで幅広い経験を積むことができ、それが独立開業後の顧問先支援の基盤になったと思っています。ちなみに、3軒目の事務所で私が担当していたNPO法人とは今も縁が続いており、私が顧問税理士と理事を務めています。

開業十数年、活気ある新しい町で着実に顧問先拡大

開業時のことをお聞かせください。どのように顧問先を開拓していったのですか。

新里 現在も自宅のある西原町(那覇市の北東約10㎞)に事務所を借りて開業しました。顧問先ゼロの状態からのスタートで不安もありましたが、人づての紹介や、大学の講師を務めたり、税理士会が手掛ける税務相談会や税務支援活動などに積極的に参加したりするなどして地道に顧問先を増やしていきました。開業3年目にはどうにか20件ほどの顧問先を抱え、事務所の経営も安定させることができました。

現在の事務所を構えるまでに、何度か移転されたそうですね。

新里 一人で始めた開業当初の控えめな事務所から、人数、業務量等の増加や諸事情により、事務所を移転してきましたので、お客様にはご迷惑をおかけしてしまいました。最初の那覇市西原町から、首里、新都心、再び首里を経て、昨年に現在の浦添市に移って来て今に至ります。開業後、計4回引っ越したことになりますが、やっと落ち着けそうです。

現在、事務所がある浦添市経塚地区の特徴をお聞かせください。

新里 浦添市は沖縄本島南部と中部のちょうど境目、那覇市に隣接する市で、人口は県内4番目に多い約11万人、人口密度でいうと那覇市に次いで2番目に高くなっています。その中で当事務所がある経塚地区はほんのひと昔前までは山林が広がっているエリアでしたが、数年前にゆいレール(沖縄都市モノレール)が延伸され、経塚駅など3つの新駅ができるのに前後して一気に開発が進みました。今も常にどこかしらで建設工事が行われており、非常に活気がある町です。人口増にあわせて新しい事業者も増え、税務支援のニーズが高まっており、当事務所の顧問先も少しずつ増えています。

現在の顧問先数や業種の傾向はどうなっていますか。

新里 浦添市や宜野湾市、うるま市といった沖縄中部をはじめとして、那覇市や南城市、糸満市など幅広いエリアの60~70件ほどの税務顧問を務めています。以前は建設業が圧倒的に多かったのですが、今は飲食、小売、不動産、システム関係など多種多様なサービス業の他、NPO法人や社会福祉法人なども多くなっています。

システム導入の前に経理の仕組み化を徹底サポート

顧問先支援の特徴や方針をお聞かせください。

2024年に移転された現事務所。
窓からの自然光が明るいオフィスです


新里 地域の事業者にとって、気軽に足を運べて身近に何でも相談できる「まちの経営サポーター」であろうと常に心がけています。特に経塚地区は新しい町なので開業したての事業者も多く、「売り上げは好調なのに資金繰りがうまくいかず、税務のこともよく分からない」といった相談もよく寄せられます。そういった地元の事業者をしっかり支えていきたいと思っています。
また、規模が小さく経理体制が不十分な顧問先が多いので、そうした事業者の経理の仕組み化や合理化のサポートに力を入れています。例えば、開業当初は経理体制も整っておらず、帳簿付けもままならなかったお客様が、経理指導を通して、しっかり業績を記録できる体制となり、業績検討や決算対策のお話ができるようになることに充実感を覚えます。
 経理が整ったその先には、更なる企業の成長に向けて管理体制を整える必要があります。そのためにも、経理業務から管理会計へと進めることも必要です。

顧問先事業者のDXにつながるシステムの導入支援についてはいかがですか。

新里 昨今、業務効率化や生産性向上に向けたDXの重要性が叫ばれていますが、当然のことながら、いくら先進的で優れたシステムでも、それを導入するだけで業務効率がアップするわけではありません。優れたシステムを使いこなすためにも業務フローの整備が重要です。そのフローの中で、どこにシステムを当て込むかが大切です。
 時には茶飲み話を通じて、その事業者の業務内容や各業務の流れ、キャッシュフローなど経営の全体像を把握し、課題点、ボトルネックとなっている部分を見える化し、経営者に示すようにしています。その上で、そうした部分の改善に向けた経理の仕組み化、マニュアル作りを支援しています。
 そしてもちろん、必要であれば新たなシステムの導入も検討します。最近は会計から販売、給与、税務まで多くのアプリケーションで中小企業や小規模事業者の業務を支えるMJSのパッケージソフト「ACELINK NX—CE」などの導入サポートを積極的に行っています。私が「この事業者ならシステムをうまく活用して業務効率化につなげられそうだ」と思った顧問先の元にMJS支社の営業担当者に足を運んでもらい、顧問先の状況をヒアリングした上で導入できそうなシステムを提案、見積もりを出し、それを顧問先が検討する、といった流れです。こういった支援を重ね、システム導入事例を増やしていきたいですね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

新里 これからも引き続き「まちの経営サポーター」として、経理や人事労務、在庫管理などの見える化、仕組み化に意欲的でエネルギッシュな経営者をさまざまな面で支援していきたいと思います。ここ数年、おかげさまで徐々に顧問先が増えているので、着実にそうした支援を行えるよう毎年1人ずつくらいのペースで採用も行い、人材教育にも取り組んでまいります。
 また今後、重要になってくるのが私たち自身の業務効率化です。職員一人ひとりの業務が俗人化しないよう仕組み化、マニュアル化を進めていきたいと思います。

今後のより一層の発展を期待しています。

History & Story税理士までのあゆみ

 新里先生は那覇市首里で育ち、大学卒業後に上京し、東京のシステム会社にシステムエンジニア(SE)として約3年間勤務されました。しかし、体調を崩して休職。この期間に「何か新しいことを学んでから復職を目指そう」と簿記を学び始めたことがきっかけで、税理士の仕事に興味を持つようになりました。
 その後、沖縄に帰郷。専門学校に通いながら、那覇市内の会計事務所で実務に当たることに。以後、複数の事務所で経験を積み、2012年、那覇市西原町に新里和也税理士事務所を開設されました。その後、何度かの移転を経て、現在は、浦添市経塚地区に事務所を構え、沖縄中南部を中心に多くの事業者の税務・経営支援に取り組まれています。

新里和也税理士事務所

新里和也税理士事務所
所在地/
沖縄県浦添市経塚607-3 East Palace Ⅱ 2F
TEL/
098-987-6770
設立/
2012年
職員数/
3名

Visit the local

沖縄本島中部の元気な菓子店と楽器店

地元馴染みのおいしいおやつ
「手作りパイの店 ぬち」

ひと口サイズで食べやすいパイ

店舗外観

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 宜野湾市大謝名(おおじゃな)交差点近くにある「手作りパイの店 ぬち」は2020年のオープン以来、地元の人気店となっています。主力商品は小ぶりな一口サイズのパイ。カスタードやチョコ、クリームチーズなどの期間限定パイを加えた全11種類で、価格はなんと1個85円。パイ生地も餡もお店で手作りされており、サクサクとした甘さ控えめの味わいが魅力です。オーナーの島袋 公彦さんは名護市の出身で、パイの味は名護の老舗レストラン ふりっぱーの手作りパイ菓子がお手本になっているそう。「幼い頃から食べていた懐かしい味わいで、自然豊かで人も温かい名護の雰囲気を再現した」と言い、店の目印になっているピンクの屋根は名護の桜をイメージしています。「ぬちパイ」の「ぬち」とは沖縄の方言で「命」という意味で、「食べる人の命を癒すような味わいに」との願いが込められています。ちなみに同店のInstagramのストーリーでは、公彦さんがパイの写真などと一緒に〝自分に足りない一言〟という格言を投稿。「お金を使って尊敬されないように」「本当の合理化は設備投資をする事ではなく石頭を切り替えること」など、気になる一言が盛り沢山。パイと格言の相乗効果か、現在、フォロワー数は9600人、地元では「パワースイーツ」とも言われているそうです。

三線職人の名工が立ち上げた
田中屋本店専門店
「米須三線店」

米須三線店の三線職人たち。右から米須 睦さん、比嘉 真知子さん、山本 哲也さん、喜舎場 優さん

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 沖縄の文化になくてはならない楽器といえば「三線」です。北中城村(きたなかぐすくそん)にある「米須三線店」はその三線職人の名工・米須 睦さんが立ち上げた三線専門店。47歳で脱サラし、職人の元で修業を積んだ米須さんは、2008年に読谷村(よみたんそん)第1回三線製作技能展で「読谷村長賞」を受賞しました。その前年に立ち上げた同店は、現在、米須さんの他に喜舎場(きしゃば) 優さん、山本 哲也さん、比嘉 真知子さんら若手職人らが加わり、互いに切磋琢磨しながら三線づくりの技に磨きをかけています。同店では数十万円の高級三線から入門用まで、幅広いラインアップを展開。胴巻の模様や弦を巻く杭のカラクイ、棹の型や色を変えるなど、自分好みに三線をカスタマイズできるのも魅力です。三線を扱っているECサイトの中には、輸入物を販売する店もあるそうですが、同店で販売しているのはすべて職人が手掛ける「メイドインオキナワ」。購入は直営店からでもECサイトからでも、アフターケアまで親身にサポートしてくれます。店の設立時から米須さんを支えてきた兄の清秀さんによると「コロナ禍以降、楽器をやりたい人が増え、県内外からECサイトへの訪問者が増えて注文増につながっている」とのこと。三線の太くてやわらかい音色は、沖縄文化を味わうための格好のアイテム。これから始めてみたい方は、ぜひ同店での購入をお勧めします。

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